ケバブの原価は何円?
ケバブの原価は主に使用する肉の種類によって決まります。一般的にケバブには牛肉やラム肉が使用されることが多く、これらの肉は比較的高価です。
特に牛肉を使用する場合、原価が高くなる傾向があります。
具体的な原価の内訳としては、以下のような要素があります。
- 肉のコスト: 牛肉の場合、1人前80gで約130円程度とされており、鶏肉を使用する場合でも80円程度になることがあります。
- ピタパン: 一枚だと100円ほどですが、半分に切って一人前で約50円程度。
- 野菜とソース: キャベツやソース、梱包紙などに約40円程度かかります。ここで注意すべきはキャベツ。近年価格変動が大きく、高騰すると原価が上がる要因となります。2024年冬現在は結構な高等で一玉で300円近く。100円で買える豊作の時期などと比べるとかなり高いです。
これらを合計すると、ケバブ1人前の日本での製造原価は約200円程度になると考えられます。
販売価格は一般的に600円程度ですが人件費や土地代などもかかったりするので他の飲食店程度の価格設定、もしくは良心的といえるくらいでしょう。
もちろんオートメーション化や質を落とさない薄利多売戦略などで工夫をして値段を下げ、400円程度に設定している店もあります。ちなみに調べた中で最安の価格帯は350円です。そこは自分も食べたことがあったエフェケバブという都内にあるチェーン店なのですが、安い値段と関係なくかなりちゃんと美味しかったです。
総じて、ケバブの原価は高いですが、その分工夫次第で利益を上げることも可能です。最近だとケバブ屋という名前の総合トルコ料理店といった感じの店も東京では見ます。
ケバブはどこ料理? A.一応トルコ
ケバブの起源は、トルコとその周辺地域に遡ります。トルコ系遊牧民は歴史的にアジアの内陸から今のトルコのある西側に少しずつ移動していったので、どこというより彼らの料理という言い方のが適切かもしれません。
初期のケバブは、剣や棒に肉を刺して焼く方法が一般的でした。この調理法は、炭火を使用することで肉の旨味を引き出し、香ばしい風味を生み出します。特に、炭火焼きは肉をジューシーに保つための重要な技術であり、トルコのケバブ文化において欠かせない要素となっています。
そして現在のトルコの前の、オスマン帝国時代にはケバブのバリエーションが一層広がりました。この時期に地域ごとに異なる調理法や味付けが生まれ、ケバブはトルコ料理の重要な一部となったといえるでしょう。
ケバブの肉の味付け
ケバブの魅力の一つは、香辛料の豊かな風味です。特にクミン、コリアンダー、パプリカなどが使用され、肉の旨味を引き立てます。これらの香辛料は、肉に深い味わいを与え、食欲をそそる香りを生み出します。トルコ料理では、これらのスパイスが肉と絶妙に組み合わさり、特有の風味を形成します。特に中心的に使うのはクミンです。コリアンダーは微調整、パプリカは色彩的な側面が強いかと思います。
ヨーグルトは味付けようというよりは、ケバブの肉を柔らかくし、ジューシーにするための重要な要素です。肉をヨーグルトに漬け込むことで酸味が肉の繊維を分解し食感を改善するわけです。このプロセスは、特にドネルケバブにおいて顕著で、肉がしっとりとした仕上がりになります。
マリネは、スパイスとヨーグルトを使った液体で肉を味付けし、保存性を高める役割を果たします。このマリネ液により、肉は風味豊かになり、調理後もその味わいが持続します。特に、トルコのケバブでは、マリネが肉の風味を引き立てる重要な工程となっています。
調理法においては、高温で焼くことが重要です。この方法により、肉の表面の細菌が殺菌され、新鮮な状態が保たれます。特にドネルケバブでは、回転式のグリルを使用し、均一に火が通ることで、外はカリッと中はジューシーな、いわゆるいい感じのケバブの仕上がりになります。
トルコのケバブ文化
ケバブは社交的な食事の一環としてトルコ文化に根付いています。 ケバブには多くの種類があり、特に有名なのはドネルケバブ、シシケバブ、アダナケバブの3つです。ドネルケバブは、回転式のグリルで焼かれた肉を薄くスライスして提供されるスタイルでやはりトルコでも特に人気があります。一方、シシケバブは串に刺して焼かれた肉で、スパイスやハーブでマリネされ、炭火でじっくりと焼かれるのが特徴です。
そしてアダナケバブってなんだ?と思った方多いのではないでしょうか。スパイスの効いたファストフードタイプのひき肉のケバブです。ハンバーグを連続して食べるような素晴らしい食べ物ともいえます。
自分の表現力不足で伝わらないかもしれません。百聞は一見にしかずということでこちらの動画をぜひどうぞ。
ケバブは地域によって異なるスタイルがあり、各地の食文化を反映しています。例えば、トルコのアナトリア地方では特に羊肉を使用したシシケバブが人気ですが、ドイツではトルコ移民によってケバブサンドが広まり、国民的ファーストフードとなっています。
世界各地のケバブ
ヨーロッパにおいて、特にドイツではまるで今の日本のようにトルコからの移民によってケバブサンドが広まり、今や国民的ファーストフードとしての地位を確立しました。
1972年にベルリンで初めてケバブサンドの露店を開いたカディル・ヌルマン氏の影響で、現在ではドイツ国内になんと約16,000店舗が存在し、ケバブサンドは多くの人々に愛されています。
インドでは、シークケバブが特に人気です。これは、スパイスを効かせた挽肉を使用し、タンドールで焼き上げる料理で、トルコのケバブとは異なり、よりスパイシーで辛味が強いのが特徴です。シークケバブは、ひき肉にハーブやスパイスを混ぜて串に刺し、タンドールで焼くことで、独特の風味と食感を生み出します。
アメリカでは、ケバブが各地で独自のアレンジを加えられ、多様なスタイルが楽しめるようになっています。日本のようにヤギ肉というよりは、牛肉や鶏肉を使用したケバブが人気で、トルコの伝統的なスタイルとは異なるアメリカナイズドされた食材や調理法が取り入れられています。