世界のケーキ パート2
学生:そういえばインドのケーキはどうです?
先生:インドでは、ケーキのようなお菓子がお祭りやお祝いの席で大活躍します。
バーフィーのようなミルク系のお菓子から、グラブジャムンと呼ばれるシロップに浸した生地を揚げたものまで、さまざまなお菓子があるのです。

そうだ、アメリカ大陸も忘れてはいけませんよ、USAのアップルパイやチーズケーキが有名ですが、メキシコではトレスレチェス・ケーキが人気です。
これは、エバミルク、コンデンスミルク、生クリームの3種類のミルクを染み込ませたスポンジケーキです。
学生:あんこ、シロップ、ミルクなど場所が変わると想像もつかない変化があるのですね。
先生:バリエーションは無限大です。その上ケーキ作りの技術やデコレーションも、時代とともに進化しています。フォンダンアイシングってご存知ですか?
学生:祝い事など豪華なケーキのデコレーションに使う、装飾のアイシングでしたっけ?彫刻のような。
先生:そうです。そのフォンダンアイシングをはじめ、バタークリームのパイピング、シュガーフラワー、マジパンのシェイプなど、ケーキのデコレーションが昔より一層芸術的になっていますよ。
ケーキのデザインは今やイベントとなり、ヨーロッパでは「Cake Boss」や「The Great British Bake Off」のようなケーキ専門のコンテストやテレビ番組があるほどです。
学生:日本では昔テレビチャンピオンという番組でそういうのをしていましたが最近はないですね。でも私の知り合いの製菓学校の友達などは卒業制作や学校のイベントで凄いケーキを作って競っていましたよ。
先生:私は手のかかったガウディの彫刻のような凄いケーキを作られるともったいなくて食べられませんよ。
学生:同感です。食べられるもので作られていますけどもったいなくなってしまいますね。
先生:ついでにケーキの科学に焦点をあててみましょう。基本的なことですがおいしいケーキは、材料を一定の順序でバランスよく混ぜ合わせ、ちょうどいい温度で焼くことが大切です。
まず、ベーキングパウダーや重曹などの膨張剤があります。これらは成分は厳密には微妙に違うのですがほとんど同じです。要するに熱を加えるとこれらは炭酸ガスを放出するのです。そのためケーキを膨らませる効果があります。
次に、バター、オイル、ショートニングなどの油脂です。バターやオイル、ショートニングなどの油脂類は、しっとりとした食感に仕上げます。砂糖は甘みだけでなく、焼き色をつけたり、ケーキの骨格を作ったりもしますね。
学生:砂糖の役割は甘味だけじゃないんですね。
先生:そうです。また、卵も重要な要素のひとつです。卵は構造、膨張剤、風味、色彩を提供します。卵白を泡立てて空気を含ませることで、ケーキを軽くてふわふわに仕上げることができます。
そして小麦粉はケーキの形を作るものです。しかし、多すぎるとケーキが固くなるので、正しく計量することが大切です。以上のような基礎の元に色々なバリエーションがあります。
学生:いやあ、ケーキ作りは本当にサイエンスですね。
先生:そうなんですよ。余談ですが私の高校では料理部の顧問を家庭科の先生ではなく化学の先生が実際にやっていましたよ。
では、具体的なケーキの話をしましょう。先ほども言及しましたが多くの人に親しまれているチョコケーキのタイプに「ブラックフォレストケーキ」があります。
ドイツ発祥で、チョコレートのスポンジケーキを重ね、その間に生クリームとチェリーを挟んだものです。

そして、真っ赤な色とベルベットのような食感が特徴的な「レッドベルベットケーキ」も有名です。こちらはアメリカ発祥の有名チョコケーキですね。クリームチーズのフロスティングと一緒に食べることが多いです。この赤い色は、もともと酢とバターミルクの酸に、ココアパウダーの色素であるアントシアニンを反応させたものです。しかし最近では食用色素を使うことも多いですね。
学生:ふむふむ。
先生:そうだ、チーズケーキは他のケーキとはかなり違うものなんですよ。小麦粉を使った生地ではなく、クリームチーズやリコッタなどの柔らかいチーズと卵、砂糖で作ったフィリングを、砕いたグラハムクラッカーやクッキーで作った皮の上に乗せたものです。
学生:言われてみれば異質ですね。形はケーキなのでケーキの一種類として見ていましたが、材料で考えると他のケーキとは随分違う食べ物ですね。
先生:それにチーズケーキはチーズケーキだけでも種類が沢山ありますしね。ベイクドチーズケーキ、レアチーズケーキ、日本のチーズケーキ、ニューヨークのチーズケーキ、、
学生:マーベルユニバースの中にXmenシリーズがあるような感覚ですね。
先生:急な例えですね。。ここらで切り上げてお腹も減ってきたしマカロンでも食べにいきましょうか。
学生:あれもケーキですかね…?