世界の有名シェフまとめ パート1
ジョエル・ロブション
フランス人シェフでレストラン経営者のジョエル・ロブションは、その卓越した技術とフランス料理への貢献で知られた。
ロブションは1976年にフランスの国家最優秀職人章(MOF)を受賞し、1981年に自身のレストラン「ジャマン」を開店しました。このレストランはオープンからわずか1年でミシュランの3つ星を獲得し彼の名声を確立しました。
ゴー・ミヨ誌で「世紀のシェフ」と称され、そして世界で最も多くのミシュランの星を獲得することになります。その星の数はなんと32個。
完璧主義で料理における高い基準をもつことでもロブションは知られていました。
そして今日のトップシェフの多くを指導し「ラ・ターブル・ドゥ・ジョエルロブション」、「ラトリエ・ドゥ・ジョエルロブション」の世界的なレストランネットワークを通じて影響力を拡大。
ロブションのスタイルの特徴は、シンプルさ、最高級の食材、伝統的なフランス料理の技法の再発明、に重点を置いていることといえます。
ジュリア・チャイルド
アメリカの料理教師、作家、テレビパーソナリティであるジュリア・チャイルドは、フランス料理をアメリカ国民に広めた。
彼女のデビュー作である料理本『Mastering the Art of French Cooking』(フランス料理の技法)、そしてテレビ番組『The French Chef』は、アメリカ人にフランス料理をわかりやすく伝える上で大きな役割を果たしました。
1963年に始まった後者の番組はアメリカでの料理番組の先駆けともいえるものです。
チャイルドの親しみやすいスタイルと良質な素材と厳格なテクニックの重要性を強調する姿勢は、彼女を一躍有名にし、家庭料理人からプロのシェフまで、何世代にもわたって影響を与えた。
フェラン・アドリア
フェラン・アドリアは1962年5月14日にスペインのバルセロナ近郊で生まれました。
世界最高峰のレストランとも言われたエル・ブリ(El Bulli)のシェフとして知られ、分子ガストロノミーの先駆者として評価されています。
このエル・ブリは2000年代初頭に世界最高のレストランとして何度も選ばれ、革新的な料理スタイルは、食材の新しい使い方や調理技術を取り入れたものでした。
具体的には泡やスフェリフィケーション(球状化)などの技術を駆使した料理などです。他にも彼の代表的な料理は沢山あり、液体窒素を使ったアイスクリームや、粉末オリーブオイル、フォアグラの綿菓子などまであります。
彼の料理は、視覚的にも楽しませるものであり、ロブションのような、食べることはアートであるという考え方を体現しているともいえます。
アドリアはエル・ブリを2011年に閉店した後、エル・ブリ財団を設立し、料理の研究と教育に注力しています。
この財団は彼の料理哲学や技術を次世代に伝えるためのプラットフォームとして機能しています。また、アドリアは料理の科学的側面を探求しハーバード大学で「科学と料理」という講座を開講したこともあるようです。
アリス・ウォーターズ
アメリカのシェフ、レストラン経営者、食の活動家であるアリス・ウォーターズは、ファーム・トゥ・テーブル・ムーブメントのパイオニアである。
1971年にカリフォルニア州バークレーにオープンしたレストラン「シェ・パニース」のオーナーであり、オーガニックで地元産の食材を使用し、持続可能な農業に重点を置いていることで有名。
ウォーターズはオーガニック食品を声高に提唱し、新鮮な地元産の食材とシンプルで風味豊かな料理を重視することで、アメリカ料理に多大な影響を与えてきた。
トーマス・ケラー
高い水準と細部へのこだわりで知られるアメリカ人シェフ、トーマス・ケラーはカリフォルニアの「ザ・フレンチ・ランドリー」やニューヨークの「Per Se」などのオーナー。
彼の店はアメリカの高級レストランの新たな基準を打ち立てた。ケラーはフランス料理のテクニックを熟知していることで知られ、彼のレストランはミシュランの星を複数獲得している。料理のクオリティとテクニックを重視し、アメリカ料理に影響を与えた。
ヘストン・ブルメンタール
料理への科学的アプローチで知られるイギリスのシェフ、ヘストン・ブルメンタールは分子ガストロノミーのパイオニアである。
英国バークシャー州ブレイにある彼のレストラン「ザ・ファット・ダック」は、革新的で多感覚的な調理法で知られ、ミシュランで複数の星を獲得している。
ブルメンタールは、科学的研究と料理の芸術性を融合させ、斬新な食体験を生み出す探求的で実験的な料理スタイルで知られる。
マッシモ・ボットゥーラ
イタリア人シェフのマッシモ・ボットゥーラは、伝統的なイタリア料理を革新的にアレンジすることで知られている。
イタリアのモデナにある彼のレストラン「オステリア・フランチェスカーナ」は、常に世界最高のレストランにランクされ、ミシュランの三ツ星を獲得している。ボットゥーラは、古典的なイタリア料理を創造的に再解釈する前衛的なスタイルで有名だ。
彼のアプローチはしばしば芸術、音楽、料理の伝統を融合させる。ボットゥーラはまた、食品廃棄と闘い、社会的包摂を促進するための非営利団体「Food for Soul」を設立した。
アラン・デュカス
アラン・デュカスは、1956年にフランスのオルテーズで生まれました。
彼はフランス料理の巨匠として知られ、世界中になんと25以上のレストランを展開しています。料理の質と革新性において非常に高い評価を受けていて彼のレストランは数多くのミシュラン星を獲得しています。
特に、モナコのルイ・XV(Le Louis XV)や、パリのアラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ(Alain Ducasse au Plaza Athénée)などが有名です。
デュカスの料理スタイルはフランスの伝統的な技法を基にしつつ、現代的なアプローチを取り入れています。彼は地元の食材を重視し、また、食材の持つ自然な風味を引き出すことに重点を置いており、特に野菜や魚を使った料理が評価されているようです。
料理の質を高めるためにデュカスは地元の農家や漁師と強い関係を築いているほどで、食材の選定においても非常に厳格です。
デュカスは料理学校の設立に加え、料理に関する多くの書籍を執筆しています。余談ですが日本語書籍もあって私も持っています。
ダニエル・ブリュ
ダニエル・ブリュは1964年にフランスのリヨンで生まれたフレンチの巨匠です。
ブリュの代表的な料理にはフォアグラのテリーヌや、トリュフを使ったパスタなどがあります。
彼も多くのミシュラン星を獲得しており料理界での評価は非常に高いです。やはり料理学校を設立していて、次世代のシェフを育成することにも力を入れてきました。
彼のレストラン「ダニエル」は、ニューヨーク市で高い評価を受けています。料理は、視覚的にも美しく、食材の質を重視したものです。
マルコ・ピエール・ホワイト
最後にイギリス人シェフのマルコ・ピエール・ホワイトは、しばしば最初のセレブリティ・シェフと呼ばれる人物です。
実績としても十分で33歳でミシュラン三ツ星を獲得した最年少のシェフ、イギリスでミシュランスターを始めて獲得したレジェンドのシェフでもあります。
古典的なイギリス料理を再考し、フランス料理の技術を素にしたアレンジなどの料理で知られるホワイトは、その高い水準と熱血的な性格で料理界に影響力を持ちます。
あのゴードン・ラムゼイなどの著名なシェフをも育て、料理本も数冊出版しています。
彼の得意とする料理はローストビーフや、クラシックなフレンチスタイルのソースを使った料理が含まれます。
このようにレジェンドともいえるシェフなのですが、飾らずにホワイトは料理のテレビ番組にも出演し料理人だけではなく一般人に対しても、広く一流の料理技術の普及に貢献しています。そうしたテレビ番組と著書を通じて多くの人々に料理の楽しさを伝えているといえるでしょう。