ジャンバラヤってどこの国の料理?
ジャンバラヤはアメリカ南部の名物料理である。
特にルイジアナ州を代表する料理で、スペイン、フランス、アフリカ、ネイティブアメリカンなど、さまざまな文化の影響が混在する活気に満ちた地域がルーツだ。
ジャンバラヤの歴史は、スペイン人がニューオーリンズに到着し、地元の食材を使ってパエリアを再現しようとしたことから始まります。
ジャンバラヤの意味
そもそもジャンバラヤの意味って何?全然英語じゃないと思っている方も多いと思います。
それは正しいです。ジャンバラヤは合成語で、フランス語でハムを意味する「ジャンボン」と、アフリカの言葉で米を意味する「ヤ」が語源とされています。ジャンボン・ヤ、ジャンボンヤ、ジャンバラヤというわけです。
このように名前からも多文化を反映したアメリカ料理でありながら歴史あるフュージョン料理であることがわかります。
こちらは個人的に日本の釜めしのような容器で作っていて親近感があるジャンバラヤの製造風景。
ジャンバラヤの食材
セロリ、パプリカ、タマネギの3つが基礎となります。
そして鶏肉、アンドゥイユ・ソーセージ(ルイジアナ州のクレオール料理でよく使われる燻製ソーセージ)、ハム、エビやザリガニなどの魚介類などがよく使われる食材です。
これらの食材は、米と、ニンニク、塩、カイエンペッパー、時にはクレオール調味料などのスパイスと混ぜ合わされます。
ちなみにこちらがアンドゥイユソーセージ。これをご飯に混ぜるだけでも美味しそうだ。
クレオール風ジャンバラヤとケイジャン風ジャンバラヤという2つの潮流
ジャンバラヤには、大きく分けて2つの種類があります。
「レッドジャンバラヤ」「シティジャンバラヤ」と呼ばれるクレオールジャンバラヤと、
「ブラウンジャンバラヤ」「カントリージャンバラヤ」と呼ばれるケイジャンジャンバラヤです。
これら2つの主な違いはトマトの使い方にあります。
もともとはスペイン料理のパエリアにヒントを得て、初期のジャンバラヤは地域の資源を反映した地元の食材で作られていました。スペイン人入植者たちは、パエリアに使われるサフランが高価で手に入らなかったため、トマトで代用し、クレオールのジャンバラヤが誕生したのです。
そして19世紀のアメリカ南部の拡大により、カナダからフランス語圏のアカディアンがルイジアナに流入した。一方でトマトが手に入りにくいルイジアナ州バイユーなどの農村部に住み着いたケイジャン人たちはトマトを使わず、肉や野菜、スパイスをふんだんに使った独自のジャンバラヤを作り出すことになります。
そしてさらにアンドゥイユソーセージが加わり、より茶色くスモーキーな感じのケイジャンジャンバラヤの誕生となりました。
以上シンプルにまとめるなら、赤いのがクレオールジャンバラヤ、茶色いのがケイジャンジャンバラヤと言うこともできます。
日本でのジャンバラヤ
余談ですが日本のファミリーレストランではデニーズの影響かジャンバラヤがあるチェーンのファミリーレストラン店が多い。そしてそれらは大抵茶色い。つまりケイジャンタイプが圧倒的優勢だといえよう。
これは思うに日本ではオムライスの中身のご飯としてもよく食べられる、通称チキンライスがというチキン入りトマトライスが赤いためかもしれない。それと区別がつかないとファミリーレストラン側が考えたんじゃないだろうかと思っている。
完全に自分の記憶からであるが、90年代にはケイジャンジャンバラヤと書いてあったメニューが、単純にジャンバラヤと呼ばれるように今ではなっている。その時点で日本でのクレオールとケイジャンのジャンバラヤCivil Warは決着がついたのではないだろうか。
ちなみにこちらがクレオールジャンバラヤ。ケイジャンと比べるととても赤い。