いまいち起源は謎なメキシコ料理の定番タコス
トルティーヤで具を巻いたものがブリトー、具を挟んだものがタコスだ。そしてメキシコ料理の代表格であるタコスの歴史は長い、かもしれない。
一つにはメキシコの先住民がトルティーヤをスプーンのように使っていたのが始まりとする説がある。
また、18世紀にメキシコの銀山で鉱石を取り出すための小さな火薬のことを「タコス」と呼んでいたことから、現在のタコスの概念が生まれたという説もある。そのタコスは火薬に紙を巻いたもので、トルティーヤに包まれた肉のようなものだったからだ。このようにトルティーヤという生地は数千年の歴史のある食べ物だが,その応用であるタコスは謎なのだ。
以上のように確実な起源は定かではないが現在のメキシコの文化や料理にタコスが深く広く根ざしていることは誰も否定しないだろう。
拡がるタコス、そして多様化するバリエーション
メキシコの郷土料理であったタコスは、今や世界的な料理として認知されている。
大恐慌の時代、アメリカではメキシコからの移民が増えタコスをはじめとする伝統的な料理が持ち込まれました。その後、タコスは屋台や移動式食堂から老舗のレストランに移って人気を博しやがて世界各国へも向かうのです。
そして現在タコスは多様でさまざまなスタイルがある。
例えばタコス・アル・パストールは文化が交錯する料理だ。マリネ液に漬けた豚肉を縦串に刺して焼くこの料理は、メキシコ原産ではなく、20世紀初頭になんとレバノン系移民によってもたらされた。予想がついた方もいるかもしれないがケバブとのフュージョンである。
ラム肉を豚肉に変え、メキシコ風のアドボマリネを加えるなど現地の味覚に合わせた調理法で、タコス・アル・パストールは誕生したのです。パイナップル、コリアンダー、タマネギなどと一緒に食べます。百聞は一見にしかずということでこちらをどうぞ。
もちろんトラディショナルなタコスのバリエーションもあります。
メキシコ北部では、「タコス・デ・カルニタス」や「タコス・デ・バルバッコア」が有名で、通常、じっくり煮込んだ肉が使われる。ユカタン半島では、アキオテペーストと柑橘類の汁に漬け込んだ豚肉をじっくりと焼き上げたコチニータ・ピビルのタコスが一般的です。
ロサンゼルスで流行したものでは「コリアンタコス」というのもあります、韓国のプルコギビーフやキムチなどの具材が特徴です。
核となる食材とそのカスタマイズ
タコスはトルティーヤで具材を包んだり折りたたんだりしたものである。伝統的にはコーントルティーヤを使いますが、特にメキシコ北部や国境を越えた地域では、小麦粉のトルティーヤが好まれています。
具材は、肉類、魚介類、チーズ、豆類、野菜類、コリアンダー、タマネギ、ライムなどのサルサや付け合わせなど、さまざまな食材で構成されています。ということでタコスはその多様性から無限のカスタマイズが可能であり、多様な食生活に対応できる料理といえます。
タコス・チューズデー あのレブロンも
タコスは私たちの舌を魅了するだけでなく、大衆文化の中でも注目される存在となっています。タコス・チューズデー(Taco Tuesday)」というフレーズは、米国内外の多くの地域で、毎週タコスを食べることを祝う非公式な行事になっています。
日本でもLAレイカーズに入った八村塁の影響で一層知名度を増したNBAのベテランスーパースター、レブロン・ジェームズ。彼もタコチューズデイをめちゃくちゃ楽しんでいるようだ。
また、毎年10月4日には「ナショナル・タコス・デー」も開催される。
ハードシェル・タコスとタコベル アメリカのタコス
タコベルなどのファーストフード店でもよく見かける、アメリカでは定番メニューのハードシェル・タコスはメキシコの伝統的な料理ではありません。
20世紀半ばに、その利便性と賞味期限の長さから、アメリカで普及したものです。
そしてタコベルといえば、創業者のグレン・ベルが、カリフォルニアのメキシコ人居住区でタコスが人気なのを見て、ハードシェルタコスを逆輸入したのが始まりです。
そういうことなので多くのアメリカ人にとって「メキシコ料理」の代名詞であるハードタコスというこのタコベルのメニューは、メキシコでは正統派ではありません。
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