ヌテラの名前の由来って? ヌテラの歴史
ヌテラは現在でこそ値段はそこそこすると感じるかもしれません。しかし本来は違いました。
第二次世界大戦後のイタリアで、ピエトロ・フェレロという菓子職人が、配給制で高価で希少価値の高いチョコレートに代わる手頃な商品を探していたのが始まりなのです。
フェレロは地元で豊富に採れるヘーゼルナッツにカカオを加えピエモンテ州のカーニバルで有名なキャラクターにちなんで「ジャンドゥジョット」と名付けたペーストを作り出しました。
そして1964年、フェレロの息子であるミケーレはレシピを改良し、よりクリーミーでのびやすい現在の「ヌテラ」を完成させます。このヌテラの名前の由来としては、木の実であるnutにイタリア語のella(小さいという意味になる形容表現のようなもの)を組み合わせ命名しました。
そして手頃な価格とユニークな味わいで瞬く間にイタリアの家庭で定番の味となった。
古来からあるフルーツジャムたち、またバターやハチミツと食卓では肩を並べる存在ですが、2024年現在、ヌテラはまだ若手の60歳ほどです。
ヌテラって何で出来てるの?
砂糖、パーム油、ヘーゼルナッツ、脱脂粉乳、ココア、レシチン、合成バニリンというシンプルな材料で作られたヌテラの味は独特です。
シンプルでありながらこれらの材料の割合と品質がヘーゼルナッツの風味が香る甘くクリーミーなスプレッドとして世界中で愛されているのです。
なおそのレシピは地域ごとの味覚の嗜好や規制により地域によって若干異なる場合があります。
ヌテラの多様化
ヌテラはイタリアでは子供の頃の思い出を連想させる文化的アイコンでもあります。今や世界に広がって160カ国以上で愛されるスプレッドとなりました。
そしてその世界的な人気は地域によって異なる独自の食べ方を生み出しています。
フランスでは、ヌテラ入りのクレープが一般的なストリートフードとして食べられています。ドイツではヌテラはクロワッサンなどのベーカリー製品のフィリングとして人気があります。
アメリカではパンケーキやワッフルなどの朝食からブラウニーやアイスクリームなどのデザートまで、さまざまなレシピにヌテラが取り入れられています。
またヌテラ自体も均一ではありません。例えばアメリカでは甘みが強く、ヨーロッパではヘーゼルナッツとカカオの風味が強くなる傾向があるなど、フェレロ社では地域の味覚に合わせたバリエーションを用意しているのです。
2月5日の「世界ヌテラデー」は2007年にアメリカのブロガーが始めたものです。瞬く間に世界的な注目を集めるようになって今では世界中のファンがこの日に、ユニークなレシピやアートを披露しています。
クレーム…。そして今後。
ヌテラは多くの人に愛されていますが、論争のようなものがないわけではありません。砂糖が主成分のヌテラは不健康な食生活や肥満の原因になるという批判、また、森林伐採や生息地の破壊につながるパーム油の使用は環境問題につながる、などです。
これらについてフェレロ側はヌテラが主食ではなく、デザートスプレッドとしての役割を果たすことを明確にしました。また、RSPO(持続可能なパーム油に関する円卓会議)の認証を受けた持続可能なパーム油を100%調達することを表明しています。
朝食でヌテラをたっぷり塗ったパンとハムエッグとサラダを食べれば別にいいのではと個人的には思ってしまいますが、中毒性があるのは事実かもしれません。
あとデザートではなく主食として食べている人がいそうなのも事実では。。とヌテラを擁護したい反面で思わず思ってしまうところです。笑 (ケロッグのチョコクリスピーやチョコワをデザートとして食べる人だっていないだろうし。)
ということでヌテラへのクレームはその美味しさ故ともいえるんじゃないでしょうか。
そして最近では、シカゴやニューヨークなどの都市にヌテラ単体にスポットライトを当てたようなカフェもオープンして、ヌテラを使ったさまざまな料理が提供されているようです。
最初はチョコレートの代わりから始まったけれど、今ではヌテラ自体が代わりの効かないものになってきているようでなんだか感慨深くはないでしょうか。