ヌテラ  バター、ジャムに並ぶ一大ジャンル

ヌテラ  バター、ジャムに並ぶ一大ジャンルヨーロッパ

意外に浅い歴史

ヌテラは現在でこそ値段はそこそこすると感じるかもしれません。しかし本来は違いました。第二次世界大戦後のイタリアで、ピエトロ・フェレロという菓子職人が、配給制で高価で希少価値の高いチョコレートに代わる手頃な商品を探していたのが始まりなのです。

フェレロは地元で豊富に採れるヘーゼルナッツにカカオを加えピエモンテ州のカーニバルで有名なキャラクターにちなんで「ジャンドゥジョット」と名付けたペーストを作り出しました。1964年、フェレロの息子であるミケーレはレシピを改良し、よりクリーミーでのびやすい現在の「ヌテラ」を完成させます。そして手頃な価格とユニークな味わいで瞬く間にイタリアの家庭で定番の味となりました。

ヌテラの原材料と味わい

砂糖、パーム油、ヘーゼルナッツ、脱脂粉乳、ココア、レシチン、合成バニリンというシンプルな材料で作られたヌテラの味は独特です。シンプルなレシピでありながらこれらの材料の割合と品質が、ヘーゼルナッツの風味が香る甘くクリーミーなスプレッドとして世界中で愛されているのです。

なおそのレシピは地域の味覚の嗜好適応や規制により地域によって若干異なる場合があります。

ヌテラの多様化

ヌテラはイタリアでは子供の頃の思い出、快適さ、シンプルな喜びを連想させる文化的アイコンでもあります。今や世界に広がり、160カ国以上で愛されるお菓子となりました。

ヌテラクレープの作り方

その世界的な人気は地域によって異なる独自の食べ方を生み出しています。フランスでは、ヌテラ入りのクレープが一般的なストリートフードとして食べられています。ドイツではヌテラはクロワッサンなどのベーカリー製品のフィリングとして人気があります。アメリカではパンケーキやワッフルなどの朝食からブラウニーやアイスクリームなどのデザートまで、さまざまなレシピにヌテラが取り入れられています。またヌテラ自体も均一ではありません。例えばアメリカでは甘みが強く、ヨーロッパではヘーゼルナッツとカカオの風味が強くなる傾向があるなど、フェレロ社では地域の味覚に合わせたバリエーションを用意しているのです。

2月5日の「世界ヌテラデー」は、2007年にアメリカのブロガーが始めたもので、瞬く間に世界的な注目を集めるようになりました。今では世界中のファンがこの日に、ユニークなレシピやアート、ストーリーを披露し、ヌテラへの愛情を表現しています。また、テレビ広告では朝食の一品として、ソーシャルメディアではヌテラを使ったレシピが日々紹介されるなど、様々なメディアで話題になっています。

ワールドヌテラデイ

ヌテラへのクレーム…。そして今後。

ヌテラは多くの人に愛されていますが、論争がないわけではありません。砂糖が主成分のヌテラは、不健康な食生活や肥満の原因になるという批判、また、森林伐採や生息地の破壊につながるパーム油の使用は環境問題につながる、などです。これらについてフェレロは、ヌテラが主食ではなく、デザートスプレッドとしての役割を果たすことを明確にし、RSPO(持続可能なパーム油に関する円卓会議)の認証を受けた持続可能なパーム油を100%調達することを表明しています。

朝食でヌテラをたっぷり塗ったパンとハムエッグとサラダを食べれば別にいいのではと個人的には思ってしまいますが、中毒性があるのは事実かもしれません。実際こう書いた自分もハムエッグとサラダの代わりに二枚目のヌテラを塗ったパンを食べたい気もします。クレームはその美味しさ故ともいえるでしょう。

そして最近では、シカゴやニューヨークなどの都市にヌテラをテーマにしたカフェもオープンし、ヌテラを使ったさまざまな料理が提供されているようです。

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