有名ハードチーズの種類や名前整理 どれが羊のチーズ?
パルミジャーノ・レッジャーノ
特徴
パルミジャーノ・レッジャーノは濃厚でナッツのような豊かな風味が特徴です。部分的に脱脂した牛の乳から作られ、少なくとも12ヶ月間熟成させる。
イタリアのパルマ、レッジョ・エミリア、モデナ、ボローニャとマントヴァ地方の一部で作られる硬質で粒状のチーズです。タンパク質を多く含むことでも知られている。
原産地
イタリアのパルマ地方とレッジョ・エミリア地方が原産地です。PDO(原産地呼称保護)制度により生産が保護されています。
適した料理
パルミジャーノ・レッジャーノは、パスタにすりおろしてかけたり、リゾットに混ぜたり、サラダに削り込んだりしてよく使われます。また、そのまま食べてもおいしいです。
チェダー
特徴
チェダーは硬質で、しばしばシャープな味わいのチーズです。熟成によってマイルドからエクストラシャープまで様々な風味を持つ。こちらも牛の乳から作られ、しっかりとした滑らかな質感が特徴です。
原産地
イギリスのサマセット州にあるチェダー村が発祥の地です。有名な大手メーカーのKRAFTのチーズを始め、現在では世界中で生産されており、地域によって様々なバリエーションがあります。
適した料理
サンドイッチやハンバーガー、マカロニ・アンド・チーズ、キッシュなど、あらゆる料理に使用できます。
こちらがチェダー村、凄い綺麗な村である。また、チーズだけでなく洞窟が有名だ。
ちなみにこちらが洞窟のGoughts Caveの動画。チーズとは関係ないけど気になると思ったので一応貼り付けておく。
グリュイエール
特徴
グリュイエールはハードチーズですが滑らかな口溶けのスイスチーズです。これも牛の全乳から作られる。グリュイエールは一般的に6~12ヶ月熟成され、甘くほのかな塩味があり、熟成が進むにつれてその風味が際立つようになる。小さい穴があるのも特徴的です。
原産地
グリュイエールチーズは、スイスのグリュイエールという町が発祥の地です。
適した料理
パルミジャーノ・レッジャーノやチェダーは汎用的なチーズでしたがグリュイエールはフォンデュの主役として有名です。また、キッシュ、グラタン、サンドイッチにも使われます。溶けやすい柔らかいのでそれを活かした料理に使われることが多いです。
マンチェゴ
特徴
マンチェゴは上記の3種類と異なり、羊の乳から作られるスペインのハードチーズです。ケソマンチェゴなどと呼ばれます。ケソはチーズという意味のスペイン語です。
しっかりとした固さとバターのような食感が特徴で、ナッツのような風味と少しピリッとした辛さがあります。
こちらマンチェゴチーズの生産者の方々である。かわいい。
原産地
マンチェゴチーズは、セルバンテスの小説ドン・キホーテの地として有名なスペインのラ・マンチャ地方が原産地です。熟成期間は60日から2年までと様々です。
適した料理
オリーブや生ハムと一緒におつまみとして食べることが多いようです。また、サンドイッチやサラダにしたり、カリンペースト(メンブリージョ)と合わせてデザートにするのもおすすめです。
ペコリーノ・ロマーノ
特徴
ペコリーノ・ロマーノもマンチェゴと同じく羊の乳から作られます。塩辛い風味のチーズです。イタリアで最も古いチーズのひとつで、その起源は名前からもわかるようにローマ時代にまで遡る。塩味とピリッとした辛みがあり、8ヶ月以上熟成させる。主にサルデーニャ州、ラツィオ州、グロッセート州で生産されている。
原産地
ペコリーノ・ロマーノの原産地は、その名の通りローマ周辺地域です。現在ではサルデーニャ島で生産されていることが多い。
適した料理
その強い風味から、パスタ料理やスープ、サラダにすりおろして使うことが多い。また、イタリア料理の定番であるスパゲッティ・カーチョ・エ・ペペ(ローマ名物のチーズとペッパーのパスタ)にも欠かせない食材です。
おまけ
パルミジャーノ・レッジャーノとパルメザンの違い
生産基準の違い
パルミジャーノ・レッジャーノはイタリアの特定の地域、すなわちパルマ、レッジョ・エミリア、モデナ、ボローニャ、マントヴァでのみ生産される特定のチーズで厳格な規制で管理されています。これはどこで作られるかだけでなく、どのように作られるかも規定されています。
チーズは生の牛乳から作られ、使用できるのは牛乳、塩、レンネットの3つの材料のみです。
また、最低12ヶ月間熟成させる必要があり、多くの種類は24〜36ヶ月以上熟成されます。要するに1から3年の期間が必要となります。
一方、パルメザンチーズは主にアメリカのチーズで、同じような法的規制はありません。世界中どこでも生産可能であり、さまざまな添加物や保存料を含むことがあります。熟成プロセスも一般に厳しくなく、通常は最低10ヶ月の熟成などです。
味と食感の違い
Parmigiano Reggianoの味と食感はその長い熟成プロセスにより複雑なものです。一般に言われるのは豊かなナッツの風味と、時間とともに発達する特徴的な結晶を持つような粒状の食感があります。これらの特性は、特定の生産方法と使用される牛乳の品質の結果です。
一方でパルメザンは一般にパルミジャーノ・レッジャーノに見られる風味の深さを欠いていると受け止められることが多いです。個人の好みや使う場面によるとは思うので一概に否定するのはには自分は反対ですが、基本的により滑らかで崩れにくく、より均一な食感なのです。
事前にすりおろされた形態では、セルロースなどの添加物が含まれることがあり、これが味や溶ける特性に影響を与えることがあります。
パルミジャーノ・レッジャーノとパルメザンは別物
法的にはパルミジャーノ・レッジャーノは欧州連合の法律により保護された原産地名称(PDO)製品として保護されています。これは上記で述べたイタリアの指定地域で伝統的な方法で生産されたチーズのみがラベル付けできることを意味します。
ちなみにEUでは、「Parmesan」という用語はこれらの規制によりParmigiano Reggianoと同義と見なされていて厳しく管理されています。
ということで一般にまとめると、パルメザンチーズという言葉は、様々なイタリアンスタイルのハードチーズを指す言葉として使われることが多いチーズ製品です。パルミジャーノ・レッジャーノは原産地呼称保護(PDO)のステータスを持っている伝統食品という感じです。
以上より、本格的にイタリアンの料理をする場合はパルメザンではなくパルミジャーノ・レッジャーノを削って行うのが良いと思います。
その反面でパルメザンはダイナーのテーブルの端にある気軽なチーズとして日常に溶け込んだイタリア風の調味料といえるでしょう。デニーズのテーブルなどに置いてありますが、あれをパルミジャーノ・レッジャーノに変えられてもなんだか逆に困る感じがします。