パエリアとは どこの料理?元祖はウサギ肉!?

パエリアとは どこの料理?元祖はウサギ肉!?ヨーロッパ

パエリアとは どこの料理?

パエリアはスペインを代表する料理であり、南東部のバレンシア地方が発祥の地です。

パエージャ、パエーリャと発音することもありますがもちろん全て同じ料理です。

パエリアの黄金色を出すサフラン、そして丸くて平らな大きな鍋で調理されます。

伝統的なレシピでは、白米、インゲン豆、ウサギ、鶏肉、時には鴨、カタツムリ、そしてサフランやローズマリーなどの調味料が使われます。

また、スペインの海沿いではその地理を活かし魚介類の豊富なパエリアも作られている。

paella-pan パエリアとは どこの料理?元祖はウサギ肉!?

パエリアの意味

パエリアは古フランス語で鍋を意味する「paelle」に由来します。厳密にはさらにラテン語の「patella」に由来しています。

また、ロマンチックな伝説によるとこの料理は恋人が「パラ・エッラ(彼女のために)」と名付けて作ったと言われています。

パエリアの起源と歴史

パエリアの起源は10世紀のバレンシア地方にさかのぼります。バレンシアには淡水のラグーン「アルブフェラ」があることから広大な米の産地です。

この料理は当初は農民や労働者のための食事で、昼食に薪の火で調理していました。そしてウサギや鴨、時にはカタツムリなどの手に入りやすい食材をこの地域の主食である米と組み合わせたのです。

バレンシアの金色のお米地帯 アルブフェラ

元祖パエリアはウサギ肉!? パエリアの種類

バレンシア風パエリア パエリャバレンシアナ

世界で最も普及しているパエリアはパエリア・デ・マリスコ(魚介類のパエリア)です。

エビやムール貝、イカなどの魚介類が使われるよく見るパエリアです。

しかし本場であるバレンシアのパエリアといえば、魚介類を使わず、ウサギ肉や鶏肉、インゲン豆をたっぷり使ったこのバレンシア風パエリア、パエリアバレンシアナです。

Paella Valenciana, la receta mas popular y de la que mas se habla, con todos sus TRUCOS

歴史としては先述の通り18世紀にバレンシア南部の自然公園、アルブフェラの田んぼで生まれた料理でありパエリアの元祖である。農村で手近にあるもので作る農民料理だったわけです。

代表的な材料としては、ウサギ、鶏肉、インゲン豆、ガロフォン(バレンシア特有の大きな白インゲン豆の一種)、トマト、オリーブオイル、水、塩、サフラン、時にはカタツムリも使われる。

そして伝統的には大きなパエリア鍋を使って、コンロではなくワイルドに薪を使って調理される。

もちろん色と風味をつけるためにサフラン、独特の香りをつけるためにローズマリーを入れることも多い。使用される米はほとんどの場合ボンバ米だ。煮崩れすることなく味をよく吸収してくれる品種である。

とにかく本来のパエリアと言えばこのパエリア

魚介類のパエリア パエリャ・デ・マリスコ

coastal-landscape-in-Spain パエリアとは どこの料理?元祖はウサギ肉!?

世界中にある普通の一般的なロードサイドのレストランで、単にパエリアとメニューにあったら出てくるのがこちらの魚介類のパエリア、パエリア・デ・マリスコです。

マリスコは魚介類、デは「の」という意味である。

もちろんこちらも外国で生れた訳ではなく魚介類が手に入りやすいスペインの沿岸地方で発展した料理である。

材料は海老、車海老、ムール貝、イカなどの魚介類、オリーブオイル、トマト、ピーマン、米、サフラン、盛り付け用のレモンなど。

既製品のブイヨンを使うこともあれば、本格派の人なら魚の骨や頭で出汁(いわゆるストック)をとることもある。風味を強めるために、天日干しの赤唐辛子であるニョラなどを加えることもある。

このように具は魚介類であり、ウサギや鶏などの肉類は使わず、豆やエンドウ豆も使わない。米を炊く水の代わりに魚のブイヨンを使うので、マリスコという名が示す通り完全な海の料理である。

ミックスパエリア パエリャミクスタ

観光客の嗜好から広まった、より現代的なパエリアである。こちらは歴史は比較的浅く20世紀後半に流行した。
代表的な具材は肉類(通常は鶏肉とウサギ肉)、魚介類(エビやムール貝など)、野菜、米、サフラン、レモンの組み合わせと、上記2つのパエリアのかなり店によってランダムなミックスである。

ということで、万人向けのパエリャと思われがちなのだが、パエリアの伝統主義者たちからは肉と魚介の組み合わせは不自然だと批判されることもある料理といえる。

ベジタリアンパエリア

こちらは更につい最近普及しだしてきたパエリアである。

材料はピーマン、トマト、アーティチョーク、インゲン豆、エンドウ豆、インゲン豆などだ。様々な野菜を使ってストックも水の代わりに野菜ブイヨンを使う。

特定の野菜をあらかじめローストするなどして香ばしく仕上げたりする。

肉類や魚介類は一切使わないわけである。オプションの食材としてはうま味を加えるためにキノコ類が使われることもある。キノコは菌類だがそこは一般的にセーフラインの内側である。

このベジタリアン・パエリアは最近考案された料理だがバレンシアのいわゆる多様性ある農業を活かしている点でバレンシア人の間でも比較的受け入れられているようだ。

パエリアゲート事件

最後に小ネタ。2016年、「パエリアゲート」事件が発生しました。

これはイギリス人の有名スターシェフのジェイミー・オリバーがチョリソーを含むパエリアのレシピを公開したところ、スペイン人、特にバレンシア人の間で怒りの声が上がった事件です。

明らかに非伝統的な食材の追加は、伝統的なレシピに対する冒涜と見なされ、料理における真正性と文化的流用についての議論を促しました。

革新的で面白いと思う人も多い反面で近年だと意外にこうしたアレンジは難しい問題なのかもしれません。

またジェイミー・オリバーの影響力の大きさの裏返しともいえるでしょう。例えば普通のユーチューバーの人がやってもさすがにそこまでは問題にならないと思うので現代社会の難しいところともいえるでしょう。

Jamie Oliver’s paella recipe is panned online
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