ピザ全集2 アメリカのピザ 基本どれもボリューミー
ニューヨーク・スタイルのピザ
ニューヨーク・スタイルピザの起源は、1905年にニューヨークでアメリカ初のピッツェリア、ロンバルディーズがオープンした20世紀初頭にさかのぼる。
イタリア系移民によって作られたこのピザ・スタイルは、基本的にはナポリ・ピザをベースとしているが、かなりアメリカの嗜好と食材に適応している。
手でトスした大きな薄いクラストが特徴で、端はパリッとしているが、半分に折って食べられるほど柔らかくしなやかである。トッピングはトマトソースとモッツァレラチーズというシンプルかつ味わい深いもので、さらに様々なトッピングが用意されている。
このスタイルのピザはガスオーブンで焼くのが一般的で、外出先でも手軽に食べられることから、ニューヨークのマイペースなライフスタイルの定番となった。
紙皿に盛られた大きなスライスは、ニューヨークのストリートフードの象徴の一つともいえる。
シカゴ・ディープディッシュ・ピザ
このピザは1940年代、シカゴのピッツェリア・ウノの創業者であるアイク・スウェルとリック・リッカルドによって考案された。深めのフライパンの側面に並ぶ、高くて薄っぺらなクラストがパイに似ている。このピザについては単独で記事を書いたので詳しくはこちらを見てほしい。
特徴は、他のピザとは異なりトッピングは「逆さま」に組み立てられることだ。生地の上に直接チーズをのせ、次に肉や野菜をのせ、トマトソースを厚くかけるのだ。
この逆さまの構造は、分厚い生地に火を通すために必要な長い焼き時間の間にチーズが焦げるのを防ぐ。
カリフォルニア・ピザ
カリフォルニア・ピザはカリフォルニア・スタイル・ピザとも呼ばれ、1980年代にサンフランシスコのプレゴのエド・ラドゥー(Ed LaDou)により作られ、ハリウッドのスパゴの超有名シェフであるウルフギャング・パックによって広まった。
このスタイルは、薄いクラストと斬新でオリジナリティ強めのトッピングで知られ、新鮮で地元産の健康志向の食材を重視するカリフォルニアを反映している。
ただし、スモークサーモンに生クリームをかけたものから、タイ風チキンにピーナッツソースをかけたもの、こちらの動画のアボカドのものまで、かなり様々でありこのピザの定義づけは実際は難しいのが正直なところだ。
強いて言うならば、ヘルシーなピザというのが一つのカリフォルニアピザの定義といえそうだ。
デトロイト風ピザ
デトロイト・スタイルのピザは、1940年代にデトロイトのバディーズ・ランデブー(現バディーズ・ピザ)で生まれた、アメリカのピザのレパートリーに加わった比較的最近のものだ。
このスタイルは、長方形の形、分厚いクラスト、キャラメリゼされたチーズの縁で知られている。
生地はシチリアピザに似ているが、より風通しがよく柔らかな感じである。そしてなんといっても特徴は、もともとデトロイトの製造業で自動車部品に使われていた四角い鉄板に押し込まれるのがこのピザのスタイルだ。
トッピングは逆順に重ねられ、ペパロニを生地に直接のせ、次にチーズ(伝統的にはウィスコンシン産のブリックチーズ)をのせ、その上にトマトソースをストライプ状にかける。その結果、パリッとした歯ごたえのある生地に、豊かで香ばしい風味が加わる。
セントルイス風ピザ
セントルイス・スタイルのピザは、中西部のミズーリ州セントルイスで生まれたユニークなピザである。
このピザは、イーストを使わずに作られる極薄のクラストで知られ、その結果、クラッカーのような一貫性が生まれ、中までクリスピーに仕上がる。
他のスタイルとは異なり、セントルイスのピザは正方形または長方形にカットされる。
チェダーチーズ、スイスチーズ、プロボローネチーズをブレンドしたプロセスチーズであるプロベルチーズを使用することで有名で、他にはないクリーミーで少しピリッとした風味がある。トッピングは一般的にシンプルで、トマトソース、プロベルチーズ、肉か野菜を選ぶ。
ニューヘブン風ピザ(アピッツァ)
ニューヘイブン風ピザは「アピッツァ」とも呼ばれ、そのルーツはコネチカット州ニューヘイブンのイタリア系移民社会にまで遡る。
このスタイルは、20世紀初頭に遡る技法である炭火窯で少し焦げ目をつけ、水ぶくれになった薄くてモチモチしたクラストが特徴である。
伝統的に「白い」ピザとして提供され、ニンニクとモッツァレラチーズ、時にはペコリーノ・ロマーノチーズをトッピングするが、トマトソースは使わない。
トマトソースを加えるのは、一般的に「赤」のアピッツァに付随するオプションだ。ニューヘイブン風ピザの最も象徴的なトッピングのひとつはアサリで、スモーキーなクラストを引き立てる塩味と香ばしい風味を提供する
シチリア風ピザ
アメリカのシチリア風ピザは、フォカッチャに似た厚みのあるスポンジ状のクラストを提供することで、イタリアの先祖とは一線を画している。
このスタイルは、イタリア系移民のコミュニティが強い料理的存在感を確立した米国北東部で特に普及している。シチリア風ピザは一般的に正方形か長方形で、厚めの生地が特徴である。トッピングはピザの表面全体を覆うことが多く、トマトソースとモッツァレラチーズがたっぷりと使われ、ボリューム満点で食べ応えがある。
端から端までトッピングされ、四角くカットされているため、一枚一枚が味わい深く、イタリアン・ピザがアメリカ人の嗜好やよりボリュームのある料理を好む嗜好に適応していることがわかる。
コロラド風ピザ マウンテン・パイ
コロラド・スタイル・ピザは、「マウンテン・パイ」とも呼ばれ、あまり知られていないが、ロッキー山脈地方発祥のアメリカ独特のピザ・スタイルである。
Beau Joというこちらの店のが特に有名でコロラド名物となっているピザだ。ちなみに巨大マウンテン・パイの大食いチャレンジも出来たりする。
このスタイルの特徴は、分厚くボリュームのあるクラストだ。ピザクラストの編み込みになった巨大な耳を見ればコロラドピザとわかるほど特徴的である。
これは大量のトッピングとチーズを収めるのに役立っている。伝統的にはハチミツを添えて提供され、余ったクラストをハチミツに浸してスイーツとして楽しむことができる。大抵みんなハチミツをたっぷりとかけてこのピザを食べているようだ。
まとめ
以上になるが、ここまで読んでもらえればわかったように、とにかくボリュームが凄いのがアメリカのピザの本場イタリアピザとの違いだ。色々な特徴があるが、どこも大抵、どでかい、のである。。
我々日本人やベトナム人のような東アジアの平均的に小食な人たちは注意である。日本のピザの感覚で3人でレストランにいって2枚くらい頼んだりすると一つは持ち帰り、もう一つも半分しか食べられないみたいなことになりかねない満足度のボリューミーなピザばかりである。
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