フライドポテトの発祥 フレンチフライはフランス生まれじゃない?
先生:フライドポテトの正確な起源はフランスとベルギーの双方が発明を主張していて少し論争になっています。まずはその始まりから。
学生:フライドポテトは英語で言うところのフレンチフライですよね。その名前からして私はフランスが発祥の地だと思っていました。
先生:現実にはもう少しだけ複雑です。まずベルギーで語られる話を紹介しますね。
第一次世界大戦中にベルギーに到着したアメリカ兵がベルギー産のフライドポテトを試食して気に入りました。しかし当時のベルギー軍の公用語がフランス語だったため、アメリカの兵士たちはそれを「フレンチフライ」と呼ぶようになった。こう言われているんです。
学生:ではベルジャンフライという名前になった可能性もあるのですね。
先生:その可能性は十分にあります。というかその呼び方のがその逸話が正しいなら適切ですよね。ちなみに実際に一部ではそう呼ばれていますよ。
一方、フランスでは、1700年代後半にパリのポンヌフ橋(余談ですがポンヌフはパリ最古の橋ですが、直訳すると新橋という意味です。)で露天商が売り始めたという説があります。そのためフランス生まれでありフレンチフライだ、というわけです。
どちらの国のストーリーも説得力があるんですよね。
学生:これは論争になるのも無理はないですね。どちらも本当で同時発生だったかもしれませんし。ところで国によって食べ方が違ったりしますか?
プーティン…? 奥が深いバリエーション
先生:アメリカではハンバーガーと、イギリスでは魚と一緒に食べるなどの多少の違いはありますが、多くの国で定番のサイドディッシュとなっています。
学生:なぜそんなに世界中で人気があるのでしょうか?
先生:外はカリッとしていて、中は柔らかく、シンプルな塩やソースなど、味をうまく伝えることができます。何より安価なじゃがいもが材料であり、汎用性が高い上に大量生産が比較的容易というのは大きいでしょう。
学生:納得です。寒冷地でも育ちますし飢饉のときにジャガイモが役に立つという歴史は世界の色々なところでありますよね。
先生:ところでフライドポテトには様々なスタイルがあり、それぞれに特徴があることをご存知でしょうか?
学生:スタイル?フライドポテトって全部同じだと思ってました。
先生:いえいえ、そんなことはありません!一般的な「フレンチフライ」は、細長く切ったジャガイモをキツネ色に揚げたものです。これは「スティックフライ」、「ストレートカットフライ」と呼ばれるものです。でも色々なバリエーションがあるんですよ。
学生:そうなんですか。どんなのがあるんですか?
太いポテトの名前は? ステーキフライです
先生:そうですね、まずはクリンクルカットのフライドポテトです。波状にカットすることで表面積を増やし、よりサクサクに仕上げています。特にソースやトッピングの持ちがいいんです。
学生:それはポテトチップスなどでも見たことがあるような気がありイメージできますね。他には?
先生:ステーキフライは普通のフライドポテトよりもずっと太いです。じゃがいも本来の味を生かした、もっちりとした食感です。日本で言うモスバーガーのポテトですよ。
学生:なるほど、小さな三日月のような形状のですね。まだありますか?
先生:ええ。ワッフルフライは十字にカットすることで格子のような見た目になります。そのため、独特の食感があり、ディップにも最適です。一方、カーリーフライは渦巻き状で、スパイスをブレンドした味付けが多く味に深みが出ますね。
学生:本当にたくさんの種類があるんですね。
先生:そうですね。カナダでは、フライドポテトにチーズカードとグレービーソースがかかった「プーティン」(プーティーン)があります。備考欄に説明は書いておきますね。
学生:メインに躍り出た感じがしてポテト好きの自分としては嬉しいです。日本のファミリーレストランにあったら学生たちが絶対に食べると思いますよこれ。
先生:そうかもしれません。話しながら食べるのにちょうどいいんですよね。
学生:その通りです。ファミリーレストランに行くと意外にフレンチフライだけ注文している集団って昔からいますよ。私もそうでした。
先生:そうだと思いました。そういえばフライドポテトの最大盛りの世界記録はベルギーで達成されたことをご存じでしょうか?2011年にベルギーでなんと1,678kgのフライドポテトが作られたそうです。
学生:1.7トンじゃないですか…!食べ物の重さより車の重さって感じですね。
先生:他にもアメリカでは、7月13日を「ナショナル・フレンチフライ・デー」と呼んでいます。これは非公式な祝日ですが、多くのレストランがフライドポテトを無料または割引で提供することで参加しています。
学生:最高の日ですね。インフレも激しくてマクドナルドのポテトも高い時代ですし、夏休みはアメリカに渡航しようかと思います。
先生:渡航費の元を取るくらい食べる気ですか…!?
備考
ワッフル・フライ(Waffle Fries
アメリカで人気のあるフライドポテトの一種。ワッフルのような十字の模様が特徴。これは、専用のクリンクルカッターでポテトを薄く格子状にカットすることで出来ます。その結果、通常のフライドポテトに比べて表面積が広くなり、サクサクとした食感とトッピングやディップの持ちが良くなります。
プーティン
プーティンはカナダのケベック州発祥の料理で同州を代表する食べ物の一つ。フライドポテトの上にチーズカードを乗せ、茶色いグレービーソースをかけたものです。フライドポテトとグレービーソースの熱でチーズカードが溶けて全体が調和してボリュームのある感じになります。肉や野菜、チーズなどのトッピングを加えるためバリエーションも豊富。カナダで人気のある、いわゆるコンフォートフードで、カナダだけでなくカナダ近くのアメリカの一部地域でも食べられています。
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