ブッシュ・ド・ノエル(ユールログ)
ブッシュ・ド・ノエルはクリスマス休暇に供されるフランスの伝統的なデザートです。冬至のお祭りユールの一環の、囲炉裏で大きな丸太を燃やすユールログにちなんで「クリスマスログ」と呼ばれています。ログはログハウスのログ、丸太です。
スポンジケーキのロールケーキにクリームを詰め、丸太に似せてチョコレートで覆ったものが一般的です。
ユールって?
古代ゲルマン人の冬至を祝う伝統にルーツがあります。彼らは1年で最も昼が短いこの日に大きな丸太を探し、それを燃やして北欧神話の主神であるオーディンなどに捧げ祝いました。丸太は1年で最も暗い日に光を与え、希望と太陽の復活を象徴するものなのです。
こちらはアメリカのテキサス州で行われているユールの祭りだ。あまり知られていないがアメリカで一番多いのはオランダ系でもイングランド系でもなくドイツ系なので、ゲルマンの伝統がテキサスで復活してもおかしくはないのかもしれない。
または教会に行かないのにクリスマスツリーは飾りゲルマンでもないけどハロウィンを楽しむ日本人のような感じで、ただの楽しいイベントなのかもしれない。しかし儀式も衣装も道具も、どれもかなり本格的である。
そしてこのユールの習慣は時期的にも近いことからやがてクリスマスと融合していったのだ。ちなみに北欧などの一部の国ではクリスマス自体を今でもユールと呼んでいる。こうしてユールログの伝統は、中世にも受け継がれ次第に発展し、19世紀に普及したケーキ「ブッシュ・ド・ノエル」の誕生につながるわけです。
ケーキに詰まった伝統と象徴
デコレーションを見ると、雪を表現した粉砂糖、マジパンやメレンゲで作ったキノコなど、森をイメージした装飾が施されたこのケーキは、ユールログのルーツである自然をイメージしている。ユールログを燃やす習慣は幸運をもたらすと信じられており、上にロウソクを載せ火をつけるなどの行為はクリスマスイブの食卓の中心的存在、ブッシュ・ド・ノエルにもしっかり受け継がれている。
作り方とバリエーション
製造工程は、フランスの多くの家庭で大切にされている伝統的なものです。スポンジケーキを浅いフライパンで焼き、その上に濃厚なクリームを塗り、丸太状に巻いていきます。ケーキの外側には樹皮に見立てたチョコレートを塗り、切り落とした枝に見立てた両端を付けることが多い。ケーキを作るのも飾るのも家族で行うことが多く、ホリデーシーズンの華やかな気分を盛り上げてくれます。
クリームを詰めてチョコレートで覆うのが伝統的ですが今では多くのバリエーションがあります。例えば普通のクリームの代わりにコーヒークリームや栗のピューレを入れたものがあります。また、ヒイラギの葉やベリー、ミニチュアの置物なども店や地域により特色があります。ロールケーキ状ではなくより実際の木の枝や幹を意識したリアリティのあるものまで毎年冬に新しいものが誕生しているといえるでしょう。
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