なぜ穴が開いてるの?
先生:今日は「ベーグル」の魅力的な歴史に迫っていきます。ご存知でしょうか?
学生:もちろん。真ん中に穴の開いたかためのもちもちしたパンだということはわかります。
先生:印象的な特徴ですね。ではその起源から説明しましょう。ベーグルは17世紀にポーランドのユダヤ人社会で生まれたと一般的に言われています。
学生:長い歴史があるんですね。
先生:そして穴が開いている理由はかなり実用的なものです。昔はベーグルを陳列しやすく、運びやすくするために長いロープや木のダボにつないで街頭で売っていました。中央の穴はこのような販売方法を可能にしたのです。それに、ベーグルが均一に焼けるようになる効果もあるんですよ。
学生:それはとても理にかなっていますね。昔の硬貨の真ん中に穴が開いていて紐で通すものがありますが、あれと同じ理由なのですね。でも先生、ベーグルはどうして世界の他の地域で普及したのでしょうか?
先生:ベーグルが普及し始めたのは19世紀に東欧から多くのユダヤ人がアメリカを含む世界各地に移住したときです。実際、ユダヤ人が多く住むニューヨークはベーグルの街と言われ多くのベーグル店が毎日新鮮なベーグルを提供しています。
なぜモチモチ? ベーグルの作り方
学生:なるほど。ベーグルの調理方法についてはどうでしょう?
先生:ええ。ベーグルには独特の調理法があり、それが独特のモチモチとした食感を生み出しているんです。ベーグルは生地を成形した後、短時間で茹でてから焼きます。この工程で生地のでんぷん質がゼラチン化され、ベーグルの特徴である皮はつやつや、中はもっちりとした食感になるんです。
学生:意外な理由でした。
先生:ベーグルのトッピングのバリエーションの多さについても言及しておきましょう。ベーグルには、ゴマやケシの実、エキゾチックな食材など、ほとんどのものをトッピングすることができます。オニオンフレーク、ガーリックフレーク、ゴマ、ポピーシード、粗塩など、あらゆるものをトッピングします。
ベーグル文化
学生:ユダヤ人コミュニティとのつながりについても教えてください。
先生:まずポーランドのユダヤ人社会では主食でした。出産を控えた女性に贈られることも多かったようですね。また一部のユダヤ人社会では、出産とは真逆で葬儀の後にベーグルが贈られ、食べられるという伝統があります。ベーグルの円形の形は、生命と宇宙の循環的な性質を象徴していると考えられています。喪失に直面しても、生命の連続性を表しているのです。
学生:シンプルな形だと思っていましたが歴史と深い意味があるんですね。
先生:その通りです。そして、まだあるんです。20世紀半ばには、ベーグルは労働者の権利の象徴にさえなりました。1960年代、ニューヨークのベーグル職人たちは、劣悪な労働環境に抗議するためにストライキを起こしました。数週間続いたこのストライキによって、ベーカリーで働く人たちの労働権が注目され、労働条件の改善につながったのです。
学生:なるほど。ベーグルの食べ方についてはどうですか?
先生:そうですね、伝統的にクリームチーズと一緒に食べるのはポピュラーですね。この伝統は20世紀初頭にニューヨークで始まり、瞬く間に広まりました。ロックスと呼ばれるスモークサーモン、ケッパー、レッドオニオン、トマトを加えるなど、さまざまなバリエーションがあります。この組み合わせは、”ベーグル&ロックス “と呼ばれます。そういえばレインボーベーグルをご存知でしょうか?
学生:いや、ないですね。
先生:レインボーベーグルはベーグルをさまざまな色に染めて、虹のように見えるようにしたものです。従来のベーグルに遊び心を加えたもので、数年前にSNSで話題になったんですよ。
モントリオールスタイルとセントルイススタイルのベーグル
学生:そういえばニューヨーク以外の地域ではどうですか?
先生:モントリオールのベーグルは有名ですよ。一般的に知られているニューヨークスタイルのベーグルよりも小さく、密度が高く、甘いスタイルのベーグルです。モントリオールスタイルは、モルトや蜂蜜を入れたお湯で茹でてから焼くので、独特の甘い香りがします。ゴマがトッピングされることが多いのですが、それ以外のバリエーションもあります。
学生:食べてみたいですね!
先生:食べてみる価値はありますよ。そして、セントルイススタイルのベーグル。こちらはベーグルそのものというより、食べ方が違うんです。セントルイスでは、ベーグルを横半分に切るのではなく、縦に薄くスライスするのがポピュラーなんです。このスタイルが一般に知られるようになったとき、SNSで大きな反響を呼びました。
学生:斬新。
ブリューガーズ、アインシュタイン…ベーグルの有名チェーン
先生:斬新と言えば2004年にブリューガーズ・ベーグル(Bruegger’s Bagels)社が焼いた、重さ868ポンドの史上最大のベーグルの世界記録もあるんですよ。
学生:500キロ近くですか、凄い重さのベーグルですね!
先生:ちなみにですがブリューガーズ以外にも色々なベーグル店がありますね。個人店はもとよりアインシュタイン・ブラザーズ・ベーグルやダンキンドーナツといった大手チェーンがベーグルをさらに普及させました。今では世界の色んなところで古典的な伝統が絶え間なく続く一方で、新しいスタイルや組み合わせの誕生と創造性を発揮しています。
これはアインシュタインブラザーズのウェブサイトですが貼っておきますね。
学生:本格的なベーグルって感じで美味しそうですね。
先生:リンク先はアインシュタインベーグルのスペシャルメニューのページです。是非朝食やランチのページも見てみてください。
学生:ボリュームのあるハンバーガーみたいのが沢山あります!バーガーキングのワッパー並みのボリュームじゃないですか。
先生:それはサンドイッチメニューなんですけど、近年マクドナルドなどのハンバーガーチェーン、ダンキンドーナツなどのドーナツチェーン、そしてベーグルのチェーンもそれぞれがお客の需要に応えた結果、それぞれのジャンルが混ざりあってきてる気がします。笑
学生:アメリカは人種のメルティングポッドという言葉がありますが、食べ物でも面白い現象が起きてますね。
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