ヤムイモ、キャッサバ、山芋、タピオカ、サツマイモ、2分で違いがスッキリ

ヤムイモ、キャッサバ、サツマイモ、色んなイモが育つ芋畑素材

ヤムイモ、キャッサバ、山芋、タピオカ、サツマイモ、違いや関係を2分でスッキリ整理

ヤムイモとキャッサバ、地理の教科書でたまに出るけど結局どんな食べ物?

ヤムイモキャッサバはジャガイモと同じ塊茎植物だ。塊の茎、つまり根ではなく、地下茎がデンプンを含んでふくらんだものである。

そしてヤムイモもキャッサバもどちらも熱帯・亜熱帯地域で広く栽培されている。

暑い厳しい気象条件に耐えることが可能で、炭水化物を多く含み様々な料理に利用されることから、世界のかなり多くの地域で主食として食べられている植物だ。

ヤムイモと山芋の違い 山芋じゃないのだ、ヤマノイモだけど。

ヤムイモはヤマノイモ科の植物である。

ヤマイモはアフリカとアジアが原産であり、世界の生産量の大半は西アフリカで生産されている。今ではナイジェリアが生産国として代表的だ。

世界の3分の2はナイジェリアで収穫されている。ほとんどアフリカで収穫されているともいえる。

ちなみに日本には山芋があるがヤムイモとは厳密には異なる。

といってもヤムイモも山芋もヤマノイモ科なのでややこしいのだが。

響きが似ているじゃないかという人もいるかもしれないが、ヤムイモのヤムはそもそも芋という意味である。つまり日本の山芋の山とは関係がない。

ここはジャガタライモとジャガイモの関係ではなく、名前がたまたま似ているややこしい兄弟のような感じだ。決して同一人物の芋ではないので注意してほしい。

というか、見てもらえれば一瞬で、あ。。となるかもしれない。ではどうぞ。

こちらがヤムイモ。。

How to boil puna yam (Ghanaian/Nigerian yam) – Naija Vegan

山芋には似ても似つかぬ、ごんぶとである。木の幹みたいなイモなのだ。

キャッサバ 5億人の主食

一方、キャッサバはトウダイグサ科の植物である。

キャッサバの原産地は南米とされ、そこからアフリカやアジアに広まった。ナイジェリアが生産国として代表的だ。

デジャブや誤記ではなく、こちらもナイジェリアが多いのだ。

ただヤム芋と違ってナイジェリアの割合は2割ほど。タイやインドネシアなどアジアでも収穫されている。

ヤムとキャッサバを収穫量で比べるとかなり差がある。キャッサバは実はジャガイモと同じくらい収穫されている人類の炭水化物の巨大な供給源である。一方でヤムはキャッサバの4分の1ほどである。

こちらがキャッサバだ

Amazing Cassava I Have Never Seen – Cassava Banana Leaf Cake – Prepare by countryside life TV.

タピオカミルクティーが好き?ではあなたもキャッサバを食べてます。

栽培方法としては、ヤムイモもキャッサバも、雨季に水はけのよい土壌に植え、挿し木や塊茎の小片から育てるのが一般的だ。

ヤムイモはキャッサバに比べて栽培期間が長く、労働集約的な栽培方法を必要とする。キャッサバは単独で栽培することも、トウモロコシ、メロン、豆類など他の作物と混作することもできる。

そして生の状態では、ヤムイモもキャッサバも有毒化合物を含んでいる。ヤムイモの場合はさまざまなアルカロイド、キャッサバの場合はシアノゲングルコシドである。

これらの毒素は、通常、徹底的な調理、浸漬、または発酵によって、食べる前に除去する必要がある。アフリカのある伝統的な社会ではヤムイモを無毒化するプロセスには、叩いて焙煎するという長時間かつ入念な工程が含まれる。

世界的にヤムイモとキャッサバは様々な方法で消費されている。茹でたり、焼いたり、ローストしたり、揚げたり、スープやシチューにもよく使われる。

アフリカでは伝統的な主食である「フフ」を作るために、生地のような固さに叩いて食べるのが一般的である。キャッサバの葉も多くの文化圏で野菜として食されている。

ヤムイモ粉は「エルボ」、キャッサバ粉は「タピオカ」と呼ばれる。それぞれ塊茎を乾燥させて粉砕したもので、菓子やパン、スープやシチューのとろみ付けなど、さまざまな料理に使われる。

タピオカミルクティー、いわゆるバブルティーで人気のタピオカパールもキャッサバのでんぷんから作られているのだ。余談だが黒タピオカなどはカラメル色素などで色付けされたもので基本は乳白色である。

様々な食品以外の用途 飼料もバイオディーゼルも

食用としてよく知られていますが薬用としての効能も期待されています。

これらの植物の様々な部位から抽出されたエキスは、何世紀にもわたって伝統医学で使用されてきましたが、現代の科学的研究により、その潜在的な治療効果が明らかになりつつあります。

ヤマイモには、フェノール酸、フラボノイド、アントシアニンなどの抗酸化物質が豊富に含まれており、炎症を抑えたり、心臓の健康を改善したり、がんと闘う可能性があるなど、さまざまな健康効果に関係している。

また、山芋の外皮は伝統医学において、皮膚疾患の治療や創傷治癒の促進に用いられてきた。

山芋は炭水化物を多く含むだけでなくジオスゲニンというユニークな化合物を含んでいる。ジオスゲニンは天然の植物性ステロイドで、化学的にプロゲステロンなどのステロイドホルモンに変換される。

ジオスゲニンの効果を完全に理解するにはさらなる研究が必要だがいくつかの研究では、山芋の摂取が更年期障害に有益な効果をもたらす可能性が指摘されているようだ。

キャッサバは2000年代以降、バイオ燃料用エタノールの製造に工業的に利用されている。他にもそのデンプンは繊維、製紙、接着剤製造などさまざまな産業で使用されている。

また、一部の国ではコーンなどのように家畜の主な飼料にもなっている。

干ばつに強い植物だが、今でも安定確保は熱帯地域の食の重要課題

ナイジェリアを含む西アフリカでは、ヤムイモの収穫を祝う「新ヤム祭り」的なイベントが毎年行われている。

そして特にキャッサバは痩せた土壌でも育つことから多くの発展途上国の食糧安全保障に重要な役割を果たしている。

現状、キャッサバ・モザイク病のような作物の病気や、ヤマイモカイガラムシのような害虫など、栽培と利用の拡大には課題がつきものである。

これらの作物の継続的かつ持続的な栽培を確保するため、農業研究ではしばしば病害の緩和戦略が焦点となっている。取り組みは耐病性品種の育成から総合的害虫管理戦略の採用まで多岐にわたる。

人口増加や産業利用によってこれらの作物に対する需要がいまだに増加し続けているため、科学者や研究者たちは、病害虫や悪天候に対する耐性を高めた改良品種の開発に取り組んでいるようだ。

冒頭でも述べたように特にナイジェリアでは、キャッサバやヤムイモは主要商品であり、国のGDPにも貢献している、 東南アジアでも、タイ、ベトナム、インドネシアなどでキャッサバは重要な輸出産品となっている。

ヤムイモとサツマイモの違い アメリカではヤムはサツマイモに

ちなみにこちらの動画はCandied Yamという感謝祭のときにアメリカ人が食べるものだ。甘くキャンディしたヤム。しかし実はサツマイモである。

既に御存知の通りヤムイモとサツマイモはもちろん別のイモだ。

ただ、アメリカではサツマイモをヤムと呼ぶことが頻繁にあるのだ。これはアメリカの現地企業の商品名などのマーケティング戦略の過程で定着してしまった結果である。

Southern Candied Yams – The Perfect Thanksgiving Side Dish

この動画の通り、どう見てもヤムイモではなくサツマイモである。この動画の投稿者さんはちなみにわかっているが、とにかくヤムといえばアメリカ人のほとんどが想像するのはサツマイモなのである。ややこしい。

英語でのサツマイモは? スイートポテトである

更に余談、日本ではスイートポテトといえばサツマイモで作った甘いお菓子を指す。

しかしそのスイートポテトがアメリカでの正式なサツマイモの呼び方である。

ドイツ語やフランス語でもなんというのか調べたが基本的にはスイートポテト、甘い芋という意味の呼び方を正式にしているようだ。

日本はインバウンド観光客がここ10年ほどで凄い増え方をしている。

日本のどこかのレストランでスイートポテトを注文した外国人が大きな蒸かし芋を待っていたら、まっ黄色の光沢ある小さな芋型の謎のお菓子を出されて今日も驚愕しているかもしれない。

逆に日本人がインバウンドの観光客に芋ようかんを出そうが栗きんとんを出そうが全てスイートポテトスイーツと呼ばれることだろう。

以上、色々と全方位にややこしい芋の世界の話でした。

書いていて自分でも混乱してきそうになったが理解の一助になれば幸いである。。

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