古の飲料、ラッシーのはじまり
インド亜大陸で愛されているヨーグルトベースの爽やかな飲み物、ラッシーの起源は、ヨーグルトそのものの古い歴史と絡み合っています。
正確な起源は不明なのですが、ヨーグルトとその料理への利用が最初に確認されたのは、なんと紀元前1000年頃の古代インドとも言われていて、ラッシーはその頃に生まれたと考えられているのです。
暑くて乾燥した気候の中で、スパイシーな料理と相性がよく、消化を助ける役割もあります。カレーのテイクアウトをすると待ち時間にラッシーをくれたりもしますよね。(何店舗かそういうカレー屋をしっているので、インドやネパールの文化なのではと思っているのですが、正確にはわかりません)
ラッシーという名前は、サンスクリット語の「lāsika」に由来し、発酵させたミルクから作られる飲み物を意味しています。
カフェ文化のように身近なラッシー文化
インド料理、中でも特にパンジャブ料理には欠かせないラッシー。インド北西部のパンジャブ週は乳製品が豊富な地域でありその地域でよく食べられるマトンカレーやバターチキンなどの濃厚なカレーとも相性が良い。またラッシーは大きな土器グラスで提供されるのが一般的だ。
タイミングとしては多くの場合で食事の締めくくりに飲まれます。日常はもちろん結婚式や祭りなどでも出ます。
またインドの古代医学であるアーユルヴェーダでは、そのプロバイオティクス効果や消化器系のバランスを整える作用があるとされています。
ラッシーのバリエーション
ラッシーは、ヨーグルト、水、砂糖というシンプルなベースにもかかわらず、地域や季節によってさまざまなバリエーションがあるのが魅力です。最も一般的なのはスイートラッシーで、ヨーグルト、水、砂糖で作られたクリーミーな飲み物です。
一方、塩味のラッシーは、塩だけでなくクミンのスパイスなども効いていることがあります。日本で言うところのポカリスエットやアクエリアスのようにのどの渇きを癒すのに最適な飲み物の地位を占めているともいえるでしょう。
マンゴーラッシーは、ヨーグルトと完熟のマンゴーを混ぜ合わせたものです。
他にもそれほど一般的ではないのですが、パンジャブ州のアムリトサルではクロテッドクリームをたっぷりのせたラッシー、ラジャスタン州ではサフランを使ったラッシー、南インドでは斬新なアボカドラッシーなど、インドでは地域ごとに独自のアレンジが存在します。
また、有名シェフのゴードン・ラムゼイは、テレビで放映されたインド訪問の際に、アムリタリ・ラッシーに国際的な注目を集めました。
このラッシーはやはりパンジャブ州の、シーク教の聖地でもあるアムリッツァーのラッシーです。バターミルクやクリームを使った濃厚なものです。ギーという澄ましバターを使い、ときにはアイスクリームをトッピングすることもあるデザートラッシーです。
近年のラッシーニュースとしては2019年に、ガンジス川沿いの有名なヒンドゥーの聖地であるバラナシのスイーツショップが、インドのナレンドラ・モディ首相にちなんだ「モディ・マンゴー・ラッシー」を発表して話題を呼びメディアから大きな注目を浴びたようです。
ラッシーの作り方とストリートカルチャー
ラッシーの作り方は古くからある飲み物なので基本的にはシンプルそのものです。
ヨーグルトを泡立ててなめらかにし、水と砂糖を加え、泡立つまで激しく混ぜ合わせます。その後、水と砂糖を加え泡立つまで激しく混ぜ合わせます。
強いてデメリットのようなものを言えば、道具がない限り手が疲れる、これにつきるわけです。
現地の人も頑張って手で混ぜているんだし手作りにするべき?
こちらの、伝統的なパンジャビラッシー、の動画を見てみてください、実は思いっきり専用の機械でやっています。笑
そして最後にお好みのフレーバーを加えて完成です。
美味しさの秘密は素材の良さだけでなく、その温度にもあります。ラッシーは冷やして、クラッシュアイスを添える、混ぜるなどして飲むのが基本ベストだと思います。
インドの夏は日本ほど湿気を感じずじめじめはしていませんが、本当に暑く、そうした中でこういった飲み物は本当に合います。
ただし現地に入って日の浅い方、旅行日数が少ない方はやめておきましょう。割と本当にお腹をすぐに壊します。自分もインドに行った自分の知り合いもやられていますが、現地の氷には慣れが必要です。。
アムリトサルの賑やかな通りには、ラッシーを作る熟練した職人、ラッシーワラ(lassiwalas)が、小さなお店などで高い技術を披露しています。中国のお茶師のパフォーマンスではありませんが、大きな土鍋でヨーグルトを上手に泡立て、水と砂糖を加え、高いところからグラスに注ぐとラッシーが泡立つ。そうしてインドを代表する飲み物が完成するわけです。
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