ジョエル・ロブション  3つ星シェフ?いいえ、その十倍です。

ジョエル・ロブション  3つ星シェフ?いいえ、その十倍です。ヨーロッパ

三ツ星シェフ?いいえ、ミシュランの星32個シェフです…

32個。これはジョエルロブションが獲得したミシュランの星の数である。

ジョエル・ロブションは世界で最も影響力のあるシェフの一人でした。1989年にはゴーミヨ・ガイドによる「世紀のシェフ」という名誉ある称号を獲得しています。彼のキャリアは数十年に及び、その影響力は料理界を一変させました。

彼は1945年にフランスのポワチエに生まれる。当初は神父になるつもりだったが神学校でなんと料理への情熱に目覚め、厨房を任されるようになった。やがてパティシエ見習いとして料理の道を歩み始めたロブションは、瞬く間にフランス料理界で頭角を現し28歳の若さでパリの高級食材店ハーモニー・ラファイエットの料理長に就任する。そしてなんと31歳でフランス料理界の権威ある賞「Meilleur Ouvrier de France」の称号を獲得したのです。

その後、1989年、ジョエル・ロブションは自身の名を冠したレストラン「ジョエル・ロブション」をパリにオープンし、わずか3年で料理界最高の栄誉であるミシュラン三ツ星を獲得します。44歳にしてミュラン三ツ星と世紀のシェフの称号を獲得しある意味世界のシェフの頂点にたった訳ですがそのような称号だけで保守的にならずに彼はその後も数十年料理に革新をもたらし続けました。

キュイジーヌ・モデルヌ

さて、彼の料理界における彼の革新は数え切れないほどですが、中でも最も大きな貢献は伝統的なフランス料理の変革である。彼は伝統的なオートキュイジーヌのバター、クリーム、砂糖の量を減らすことの重要性を強調する「キュイジーヌ・モデルヌ」というスタイルで知られ、重く複雑になりがちな伝統的なフランス料理のレシピを軽くし簡素化しました。これは料理の一つの時代を作ったともいえる偉業でしょう。また彼は各料理に3つの主要な食材を重視し、新鮮で地元の高品質な食材を使用するというスタイルを築きました。

ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブションと世界進出

1996年、ロブションは50歳で厨房からの引退を表明したが2003年に復活を遂げ、それまでの店よりもカジュアルな「アトリエ」のコンセプトを世界に知らしめました。ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブションは、オープンキッチンとカウンターで調理を見ることができ、従来のシェフと客の垣根を取り払ったレストランです。

彼は3つの大陸でいくつかのレストランを経営し、それぞれミシュランの星を獲得しています。ラスベガスにある彼のレストラン「ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション」は、米国で最も高い評価を受けたレストランのひとつである。彼のレストランの多くは、革新的な「オープンキッチン」スタイルで設計され、シェフと食事客の交流を促し、垣根を取り払い、食事体験全体を変化させるものであった。

世界中に点在する彼のレストランはロブション自身が設定した高い基準を維持しながら、それぞれの場所の個性を反映しユニークな特徴を持ちます。東京からラスベガスまでどの店も彼の遺産を受け継ぎ、世界中の人々に彼の料理を体験してもらう機会を提供しています。

ヘルズキッチンのゴードン・ラムゼイも弟子

多くのシェフに多大な影響を与え、成功へと導いてきた彼。最も有名な弟子の一人は、パリで彼の下で修業した世界的スターシェフでありヘルズキッチンでも有名なゴードン・ラムゼイです。ラムゼイはロブションのことを師と仰ぎ、料理の完璧さを教えてくれたと言っています。

ラムゼイはロブションを「最も厳格で、正確で、要求の厳しい超プロフェッショナルな完璧主義者」と称しています。

ポム・ピュレ

トレードマークの料理は完璧なマッシュポテト「ポム・ピュレ」でしょうか。これは彼の功績の中でも際立って有名な料理の一つです。ベルベットのようになめらかでクリーミーなこのポテトは彼の名前の代名詞となりました。

レシピはジャガイモ、バター、牛乳、塩だけというシンプルなものだが正確な技術と材料のバランスによって、紛れもなく特別な一品に仕上がっているのです。言葉で表現するよりぜひこちらの動画を見てください。信じられない滑らかさでクリームのデザートのようなので初めて見る方は驚くと思います。

ロブションのスタイル

ロブションは厨房を管理する上で静かで平和なキッチンを維持していました。シェフである彼は怒鳴り散らすようなアンプロフェッショナルなことはせず、冷静沈着な雰囲気が集中力を高め、結果的に良い料理を生み出すと理解していたのです。彼は穏やかでありながらしっかりとしたリーダーシップを発揮しスタッフや同僚から尊敬されていました。

同様に彼の食に対する哲学と価値観を定義する要素は彼のキャリアを理解する上で重要です。ロブションの料理は、基本的に「敬意」をテーマにしているといえます。食事する人、食材、そして料理に対する尊敬です。この尊敬の念は、常に完璧を追求する姿勢に表れています。ロブションの厨房を出る一皿一皿は、彼の細部へのこだわりと、品質に妥協しない姿勢の証です。

また彼は素材も大切にしました。シンプルであることの力、そして最も自然な状態の食材の美しさに対する深い信念が見えてきます。ロブションは食材を重いソースや複雑なプレゼンテーションで覆い隠すのではなく、その風味を際立たせることを選びました。さきほど述べたポムピュレのような料理は正にそれを体現しているといえるでしょう。

ロブションはワインの世界にも足を踏み入れています。スペインとフランスにブドウ畑を所有し、彼の店は豊富で素晴らしいワインセレクションで知られています。ロブションは、料理へのアプローチと同様に、ワインに関しても品質の重要性を信じ、料理と完璧に調和するよう、レストランのセレクションを慎重に吟味していたのです。

トップシェフによる技術のオープン化

また彼は多作な作家でありテレビパーソナリティでもありました。世界最高のシェフでありながら隠すようなことはせずその知識を惜しげもなく公開していたのです。

彼は何冊もの料理本を執筆し、パトリシア・ウェルズとの共著『Simply French』や『The Complete Robuchon』など数多くの出版物は、彼の卓越した料理テクニックを理解し、再現しようとする人々にとって重要な参考書となっています。

フランスのテレビ番組「Bon Appétit Bien Sûr」や「Cuisinez comme un grand chef」といった料理番組の司会を務めてもいました。レシピや調理法、食に関する一般的な知識を紹介し、レストランの常連客以外にも影響を与え、彼の培った高い知識を一般家庭にも広めたのです。

こうしたレストランと食事の全ての面に関する多大な献身により、彼の料理帝国は成長を続け、2018年に彼が亡くなった時点で、ロブションのレストランはミシュランの星を合計32個獲得することになりました。これは説明するまでもないですが当然歴史上のどのシェフよりも多い数です。

アーティスト

彼はこうした偉業とは別にワークライフバランスも大切にしていました。多忙なスケジュール、料理界の帝国の経営という重圧にもかかわらず、彼は自分のために時間を取り、内省し、人生を楽しむことでも知られていました。音楽と芸術をこよなく愛し、インスピレーションとリラクゼーションの源としていたようです。私は彼が料理は五感で楽しめる唯一のアートだと語っているのを見たことがあります。実際に彼自身ただのトップシェフではなく、料理という媒体を使ったトップアーティストだったともいえるでしょう。

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