ミシュランの星
学生:ミシュランの星の数は三つあるけどどういう基準なんですか?
先生:3つ星は “特別な旅をする価値のある特別な料理”です。2つ星は “寄り道する価値のある素晴らしい料理”、1つ星は “そのカテゴリーにおいて非常に優れたレストラン “を意味しますね。
学生:3つ星が沢山あったらミシュランはタイヤメーカーだから儲かりそうですけど数が少ないあたり幻覚に査定はしていそうですね。
先生:その通りです。悪いタイヤ会社がやっていたら悪路の山道の定食屋や半島の先端のようなところを三ツ星にすればタイヤは多く売れますけどミシュランはそんなことはしませんよ。
学生:安心します。
先生:そして当たり前ともいえますけど、ミシュランの検査員は匿名でレビュアーであることは名乗りません。また評価の公平のため食事代や経費はミシュランが出しています。
学生:テレビ中継がいい例ですけど宣伝になる場面でだけ質を良くしたり量を多くするようなずるは、ザガットにもミシュランにも出来ない訳ですね。
先生:その上彼らミシュランの調査員「インスペクター」たちは身元は秘密で調査の方法についても口を閉ざしています。
一般的には食材の質、調理法や味の組み合わせの巧みさ、シェフの個性、価格に見合った価値、そして時間やメニュー全体にわたる一貫性、こうしたところが基準だと、言われていますが。
学生:抽象的ですね。
先生:ええ。甘めが好き、だとか、チーズはチェダーよりゴーダのが得点が高い、人参は丸みを帯びてた方が美しいとしている、みたいな具体性はゼロです。他の客に紛れて突然来るインスペクターがこうした網羅的かつ見えない厳格な基準でくるから、これだけ世界的に評価されるガイドになっているんですよ。
学生:例は料理ではないですが、近年だと日本の大学が海外の特定評価機関での国際的な大学順位を上げるために、やたらと外国人留学生を日本人より緩い基準で入れて大量に増やしているところがありますが。
先生:ミシュランではそういうことはできないですね。笑
確かにそれをやると研究水準や教育の質を上げなくても大学なんかは順位が上がるんですよね。順位を上げるぞと宣言していて内容を見ると、ただの外国人大量受け入れみたいな安直なことをしている大学が超有名なところにも幾つかあって辟易としますよ。
学生:たとえ話なのになんかリアルですね。
先生:良い研究環境だから外国人も来る、ではなく、順位を上げるため外国人をまず呼び込む、が目的ですからね。ミシュランにそうした小細工は通じません。
学生:それにしてもレストラン評価のが厳しい。。そもそも三つっていうのが厳しくないですか?
私は最高10個星くらいにした方が優しいと思うんですけどね。いや、でもミシュラン10個星が最高で私の店はミシュラン一つ星だ、は名乗ってもあまり意味はないかな。。
先生:そうだと思います。笑 三ツ星がちょうどいいと思いますよ。それにこれでも優しくなっているんですよ。
学生:どういうことです?
先生:ミシュランガイドの三つ星システムは、1926年に導入された一つ星から発展したものなんです。
学生:一つだけだったんですか!
先生:そうです。三ツ星システムは1931年に導入されたんですよ。
学生:いやそれでも僕は5つ星くらいまでは緩めてもいいんじゃないかと。
先生:ビブグルマンはご存じないですか?
ビブグルマンというミシュランの第二の基準 ビブって何?
学生:よく見ます。ミシュランの星付きの店はそんなに見かけないですけどうちはビブグルマンだって書いてある店は東京を歩いていると結構ありますよ。
先生:あれはコストパフォーマンスのいい店という指標です。そういう声に答えたんじゃないでしょうか。例外はあるものの、ミシュランは一つ星でも大抵高級店なことが多いですが、ビブグルマンの店は大体40ドル以下を基準としています。
学生:なるほど。ちょっとそれでも高いけどだいぶ日常的には身近な価格になりますね。ところでビブグルマン、グルマンはグルメって意味ですよね。ビブってなんですか?
先生:BibはBibendumの略ですよ。
学生:待ってください、ビベンダム、ですね、、いやその単語も載ってないですね。。
先生:え、載ってないんですか?ミシュランマンの別名なんですけど。
学生:あれか!!…失礼しました。
先生:あれです。ビブグルマンを身近に感じてくれましたか?
学生:身近というか、料理からマシュマロやソフトクリームの味がしてきそうです。笑
世界で一番おいしい都市はどこ?
先生:ところでミシュランの三ツ星はどの都市が一番多いでしょうか?
学生:東京じゃないですか?ニュースで見たような気がします。
先生:正解ですよ。都市規模が大きいのもありますけどそれでも12個の三ツ星店の数は凄いですよね。ちなみに世界的な他の国際都市のニューヨークは4店、ロンドンは5店です。またフランスのパリは9店舗ですね。
学生:それでもパリはさすがですね。現在はパリが東京に次いで二位ですか?
先生:香港とマカオが10店で二位です。
学生:なぜ合同。笑 ちょっとずるくないですか?
先生:普通の遅い電車で一時間の日本の京都と大阪はそれぞれ6店と3店ですから、合わせれば9店でパリに並びますね。ただサンフランシスコやロサンジェルスやサンディエゴ、
学生:それらは何店舗入ってますか?
先生:まとめてカリフォルニアで6店舗が入ってます。
学生:基準は厳格だけど地域区分は厳格ではないんですね。。でもそこは店の評価じゃないからいいのか。。
先生:そういうことです。この都市が世界で何番目にミシュランの星が多い!と叫ぶのはメディアだったりしますからね。そして国単位で見ると順位も変わりますよ。
まず、世界で一番美味しい国はどこ?
学生:予測します。一位はアメリカ。二位は人口多いし中国かインドでは?
先生:一位はフランスです!29店舗の星3レストランがあります。
学生:おお!本場が来ましたね。さすがです。二位と三位は?
先生:二位は日本で23店舗!三位は13店舗で並んでいますよ。
スペインポルトガル、イタリア、アメリカです!
学生:三位がなんだか多いですね!そしてまたスペインポルトガルとかまとめている!笑
先生:中国はちなみに北京や上海なども本が出ていますけど5店舗ほど。インドはまだありません。。
学生:意外に香港マカオを入れて考えても少ないですね。
先生:ただ中国やインドはこれから調査が始まっていく感じじゃないでしょうか。なんだかんだで打率はパリや東京ほどよくなくてもその二国がやがてレストラン数の多さで潜在的な三ツ星店の数も1位2位になる気はします。
都市別でミシュランランキング考察
三ツ星が目立つけど、ミシュラン二つ星店や一つ星店の数は?
ところで二つ星店や一つ星店はどこが一番多いでしょうか?
学生:それらも東京じゃないですか?
先生:正解です!三ツ星も二つ星も一つ星も現状では東京が独占しているんです。ただちょっと面白い点があります。
学生:なんです?
東京やパリや香港マカオや京都などは三ツ星、二つ星、一つ星とあまり比率が変わらないんですよ。でも大阪。一つ星の店だと東京やパリに次いで3位になります。
学生:凄い!何かしらの猛虎魂を感じますよこれは。
先生:ちなみにビブグルマンのベスト3はどこでしょう?
学生:一つ星の順位から類推して考えました。東京、パリ、大阪ですかね?
先生:カリフォルニア、東京、ニューヨークシティですね。
学生:ここでニューヨーク市きた!ニューヨーク州じゃないんですねそこは。そしてカリフォルニアは州単位でやっぱりずるいと思います。笑
先生:ちなみに大阪は4位です。
学生:ロサンジェルスやサンフランシスコに単独で勝ってそうなのに悔しい。笑
パリは何位ですか?
先生:9位です。
学生:急に凄い下がりましたね!
先生:三ツ星から一つ星までのレストランはかなり多い結果を考慮してこの差を考えると、一定のお金を出すと凄い美味しいものが食べられるけど、あまりコストパフォーマンスのよい店は他の国と比べると多くないのかもしれませんね。笑
学生:言われてみれば雑な接客で適当に煮たジャガイモと肉みたいな店も意外にあるんですよね。あとは接客も料理も最高の店も多いだけにインスペクターの人たちもギャップを感じやすいのかもしれませんね。
星3
先生:ちなみに星3は本当に少ないんですよ。調査したけどゼロっていう地域はかなりあります。
学生:え、そうなんですか?
先生:30地域ほどは星3がゼロです。一つもありません。
学生:本当ですか?人口の全然いないところの街などではないですか?
先生:例を挙げましょう。リオデジャネイロとサンパウロ、イスタンブール、モスクワ、ドバイ、モスクワ、クアラルンプール、ホーチミン、トロント、更に中国の広州や杭州、こうしたところは三ツ星は現時点でゼロです。
食事が美味しいと言われる台北や上海、他には韓国の首都のソウルやアメリカの第二の都市シカゴなどでも、認められているのは2店舗のみです。
学生:驚愕ですね。。世界的に有名な大都市だし美味しいものも沢山浮かぶような都市ばかりです。しかも中国の広州って「食は広州にあり」って言われる中国の食文化の代表的な街じゃないですか。
星とビブグルマンで探る一番美味しい都市
結論、悩んだら東京、お金があればパリ、お金がなければ大阪、ソウル、シカゴに行こう
先生:星3認定はそれほど基準が厳しいのですよ。ただいビブグルマンとなると話は別です。台北と広州は多く、ほとんどパリと同じくらいの40店舗ほどが認定されています。
ソウルやシカゴは大阪や京都よりは少ないですが、なんとパリよりもビブグルマンの認定の数は多いんですよ。
学生:そう聞くと星を持っている店とビブグルマンの店はほんとに基準が違うとわかりますね。
先生:そういうことです。星3が多いからといって全ての料理の水準が良いとはいえないし、逆もまた然りということです。
ただ東京や香港が比較的価格帯に関係なく、満遍なくトップクラスの食の都市なのは客観的にいえるかもしれません。
そして人口比で考えた場合に高級店が多いのはパリと京都であるともいえるはずです。ただし所持金の少ないバックパッカーがパリや京都で美味しいものが食べられるかは話が変わってきそうです。
学生:考えさせられますね。実際、お金が100億円ほど大量に持っていたとしても毎日星3の高級で創作性に富んだ料理が食べたいとは人間なりませんもんね。
とりあえず私は大阪に行きたくなりましたよ。笑
先生:値段や高級さに全然こだわらずに美味しいものを作っていそうなのがデータから感じられて、なんだか印象いいですよね。笑
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