一目でわかる紅茶の種類の比較一覧
アッサムにダージリン、ウバ、どれがどこの紅茶かわからない、そんなときのための表をまとめて作ってみました。
表内の説明については一般に評されるような内容でなるべく主観を入れずに書いたつもりです。
表だけだと味気ないのでこちらはイメージ用にアッサムでのお茶摘みのリアルな様子。
それでは早速どうぞ。
アッサム、ダージリン、キームン、ニルギリ、そしてスリランカのウバとルフナの紅茶比較一覧表です。
特徴 | アッサム | ダージリン | キームン | ニルギリ | ウバ | ルフナ |
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歴史 | インドのアッサム地方で生産され、19世紀にイギリスによって商業化された。アッサムは、インドの紅茶産業の基盤を築いた | インドのダージリン地方で栽培され、19世紀中頃にイギリスの植民地時代に人気が出た。 「紅茶のシャンパン」とも称される。 | 中国のキームン地区で1875年に生産され、イギリスに輸出されるようになった。 | インドのニルギリ地方で栽培され、19世紀にイギリスによって商業化された。ニルギリは、特に香り高い紅茶として知られる | スリランカのウバ地方で栽培され、特に高地での栽培が特徴。 | スリランカのルフナ地方で生産され、19世紀にイギリスによって広められた。 |
味わい | 濃厚で甘みがあり、マルト風味が特徴 | フルーティーで花のような香り、軽やかな味わい | スモーキーでフルーティー、甘みがある | フルーティーでスパイシー、やや甘みがある。 | 強い香りとスパイシーさ、フルーティーな後味 | 濃厚でスパイシー、甘みがある |
色 | 深い赤褐色 | 明るい金色から赤褐色 | 深い赤褐色 | 明るい金色から赤褐色 | 明るい金色から赤褐色 | 深い赤褐色 |
生産地域 | アッサムの気候は、湿度が高く、豊富な降雨があり、これが茶葉の成長を促進します。 また、アッサムの茶園は、ブラマプトラ川の流域に広がっており、肥沃な土壌が茶の生産に寄与しています。 | ダージリンはインド北部の西ベンガル州に位置し、ヒマラヤ山脈のふもとに広がっています。この地域は標高が高く、冷涼な気候が特徴です。 昼夜の温度差が大きく、これが茶葉に独特の風味を与えます | 中国の安徽省の南部に位置し、黄山と長江の間に広がっています | ニルギリはインド南部のタミル・ナードゥ州に位置し、南インドの高地に広がっています。 ニルギリの茶園は森林に囲まれており、清らかな水源が豊富です。 ニルギリの気候は、標高が高いものの年間を通じて温暖で、雨季が二回あり、これが茶の成長を助けます。 | スリランカの中央高地に位置し、標高が高く、涼しい気候が特徴です。 | ルフナは、スリランカの南部に位置し、比較的低い標高で温暖な気候が特徴です。 |
主な生産国 | インド | インド | 中国 | インド | スリランカ | スリランカ |
香り | マルトの香り | フルーティーで花の香り。 | スモーキーでフルーティーな香り。 | フルーティーでスパイシーな香り | 強い香り | スパイシーで甘い香り |
人気のあるブランド | タージ・マハル、アッサム・ティー | ダージリン・ティー、マカイバリ | キームン・ティー、紅茶の王様。 | ニルギリ・ティー、ダージリン・ティー | ウバ・ティー、スリランカ・ティー | ルフナ・ティー、スリランカ・ティー |
飲まれ方 | 濃厚でミルクティーとして人気があります。 世界最大の紅茶生産地域の一つであり、広大な茶園が点在しています | 特に高品質な紅茶として知られています。ダージリンの茶園は、急勾配の山地にあり、霧がかかる朝の風景が美しいことで有名です。 ダージリンの茶は、特に「シャンパン・オブ・ティー」として評価されており、収穫時期によって風味が大きく変わります。 | キームン地域は、茶の栽培に適した土壌と気候条件を持ち、特に遅い萎凋と酸化プロセスが特徴です | アイスティーとしても人気があります | 特に冬季に生産される茶葉が高品質で、フルーティーでスパイシーな風味が際立っています | 特に日常的に飲まれる茶として人気があります |
そういえばセイロンティーって何? スリランカの紅茶の種類
「セイロン」と「スリランカ」は、同じ地域を指す異なる名称です。
インドの南東部の島国のスリランカ、それの旧国名がセイロンです。その時の名残りもありスリランカの紅茶はセイロンティーと今でも呼ばれることが多いです。
スリランカティーなんてほぼ聞かないですよね。
まとめると、
- セイロン: セイロンはスリランカの旧国名。イギリスの植民地時代に広く使われていた名称。1948年にイギリスから独立した後も、1972年までは「セイロン」という名称が公式に使用されていました。
- スリランカ: 1972年に国名が「スリランカ」に変更されました。スリランカという名前は、現地語で「光り輝く島」を意味しています。
ウバやルフナだけじゃない、キャンディ茶葉やヌワラエリヤも
そしてセイロンティー。
これはスリランカで生産される紅茶の総称であり、特定の地域や品種によって異なる特徴を持ついくつかの種類があります。上記の表の説明で述べたウバ(Uva)やルフナ(Ruhuna)といった地域名は、セイロンティーの一部として分類されるわけです。
更にはウバやルフナの他にも、ダンブッラ(Dimbula)、ヌワラエリヤ(Nuwara Eliya)、キャンディ(Kandy)などの地域が含まれます。これらの地域はそれぞれ異なる気候条件と標高を持ち、独自の風味を持つ茶葉を生産しています。
ダンブッラは、標高が高く、強い風味と複雑な香りを持つ茶葉が特徴といわれます。ヌワラエリヤは、スリランカで最も高い地域の一つで、軽やかでフルーティーな風味が楽しめる茶葉を生産しています。
キャンディは、ミディアムグロウンティーとして知られ、バランスの取れた風味とスパイシーなノートが特徴です。午後の紅茶のミルクティーでも日本ではおなじみかもしれません。
ということで、セイロンティーは単なる一つの種類ではなく、スリランカの多様な地域から生まれる多くの異なる茶葉の集合体なのです。
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