【うなぎパイの話】ローリングストーンズ、クラプトンがいた!? イールパイアイランド?

イールパイアイランドことウナギパイの島 ヨーロッパ

イールパイことうなぎパイのルーツ

うなぎを食べるのは実は日本だけではありません。今回紹介するイギリスの伝統食、イールパイことうなぎパイのルーツは中世イギリスまでさかのぼります。

テムズ川をはじめとするイギリスの川に豊富に生息していたウナギは、大衆、特に労働者階級の間で人気の食材でした。

パイは伝統的に刻んだうなぎをハーブやスパイスで味付けしたパイ生地で包み、完璧に焼き上げたものです。

The Oldest Fast Food Restaurant in London’s East End

イールパイの文化的意義

今でも貴族院や爵位があるように階級社会であるイギリス。

社会学の区分でいうならば、うなぎパイは一般に労働者階級の食べ物として有名です。

ただ当時実際には高価な香辛料やワインで飾ってウナギを食べていた富裕層と、安価なタンパク源としてウナギを利用した貧困層の双方にとって、うなぎパイは共通の食べ物でもありました。

文学や文化にも登場しています。

特に超ベストセラー作家であった二都物語やクリスマスキャロルで有名なチャールズ・ディケンズ。

作品中に何度もウナギパイを登場させていて、ロンドンのイールパイハウスを鮮明に描いています。後述のイールパイアイランドにも1830年代に訪れています。

うなぎパイハウス、イールパイハウスのような店は多くの地域で社会生活の中心的存在であり、パブのように人々が集まりニュースを共有し、もちろん心のこもったウナギパイを楽しむ場所として機能していたのです。

70年代のロンドンイーストエンドのウナギパイハウスの様子 とてもいい雰囲気だ。

ウナギ文化の衰退…

20世紀に入るとウナギパイの人気は衰えます。

その主な理由はイギリス海域のウナギの生息数が減少したからです。

乱獲、汚染、河川管理の変化などにより生息数が大幅に減少してウナギが高価になり手に入りにくくなりました。

大西洋ではなく、太平洋の島国である現在の日本のウナギ文化の現在の状況にも似ていると思います。

現在の東京である江戸、有名な江戸前寿司と同じくらいにウナギのかば焼きはポピュラーな料理でしたが今では高級品です。

(銀座や麻布にいけば下手をすればうな重が5000円。

いや、しかし江戸時代で言えば日比谷や六本木はともかく、銀座や麻布十番は立派な下町区域か。。時代の流れ、というかインフレって怖い。)

そしてこうした生息数の減少と高級化の結果、かつては頻繁に食べられていたうなぎパイはイギリスの食卓でほとんど見かけなくなったのです。

余談ですがフィッシュアンドチップスでさえ最近のイギリスはインフレ、そして円安のため、なんと2000円や3000円平気でします。

フィッシュアンドチップスの白身魚はちなみにタラです。

もちろんボリュームは日本のパブなどで頼むのよりはしっかりと満腹になるようなのが出てくるが、それでもかつて1000円しなかったような庶民料理のグルメが。恐ろしい限り。

うなぎパイの今、そしてウナギパイの島

一部のシェフや料理愛好家は、この食の遺産を守りたいという思いからウナギパイをメニューに復活させています。

新しい食材や味付けを取り入れるなどした現代風アレンジのもありますが、クラシックなスタイルがやはり一番人気があります。

文化ついでに言うと、うなぎパイはイギリスの音楽シーンとも変わったつながりがあります。

ロンドン南西部のテムズ川に浮かぶ島「イールパイ・アイランド」は、1960年代にリズム&ブルース音楽の温床、そして当時流行っていたボヘミアン文化、カウンターカルチャー、ヒッピームーブメントの聖地となりました。

実際にローリング・ストーンズ、ザ・フー、エリック・クラプトン、ピンク・フロイドなどの超有名なミュージシャンがこの島に滞在していました。

1971年に焼失してしまったイールパイアイランドホテルは多くの著名なアーティストやバンドが演奏する場所として利用され、上記のようなローリング・ストーンズに代表される超有名バンドがパフォーマンスを行っていました。

(個人的疑問だがザ・フーの知名度だけ諸外国に比べ日本は低すぎる気がするのなんでだろう)

このホテルは1830年に開業し、1898年にはバルコニー付きのダンスホールがオープンした革新的ながら伝統あるホテルでした。

1950年代にこのホテルでジャズセッションイベントが始まり、そこから10年ほどして1960年代の島の大ブームにつながったようです。

こちらは現在の島の風景。

ウナギパイの島

現在のイールパイ島は約50軒の住宅に120人の住民がいる小さなコミュニティです。

しかし今でもアーティストのスタジオがあるし、ボートヤードなどが存在します。島の住民はアートスタジオを通じて数回のオープンスタジオイベントを開催したりしています。

訪問者はアーティストの作品を直接見たり、気に入ったら購入する機会もあります。

また、イールパイ島は自然保護区としても知られていて自然が保護されています。もちろん橋ですぐいけるような島なのでリバーサイドの散策やボート活動なども可能です。

イールパイ島の博物館では上記のような音楽的遺産や歴史に関する展示が行われていて、訪問者はこのウナギと音楽のハイブリッドという変わった歴史を学ぶこともできるようになっています。

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