ケバブって何?定義は?
先生: 今日はケバブについて話してみませんか?
学生:ケバブは大好きですよ。でも棒状の肉をそぎ落として焼いたものという認識しかないですね。
先生:実はケバブという言葉は非常に汎用性が高いんです。
さまざまな料理を指す言葉として使われています。特徴としてはいずれも肉を焼いたりローストしたものが中心ですね。
ケバブという言葉はアラビア語に由来し、大まかに言うと「焼いた肉」という意味です。
学生:それは幅が広いですね、焼いた肉がケバブなら僕の食べている肉は大体ケバブですよ。
先生:間違ってはいませんね。笑

ケバブは何世紀にもわたって中東料理の主食で歴史は中世にまでさかのぼります。
有名な『千夜一夜物語』にも登場し、イスラムの黄金時代に中東で人気があったことがうかがえます。
その後ケバブのレシピは地中海、中央アジア、インドに広がり、それぞれの地域でその土地の味や手に入る食材に合わせた料理が作られました。
学生:地域によって違いはありますか?
シシカバブ、シークケバブ、シャミケバブ? ケバブの種類と違い
先生:もちろん。まず中東側から始めましょう。トルコやイランなどでは、「シシカバブ」という料理があります。
串に刺してマリネした肉を直火で焼くものです。このシシはトルコ語で串という意味です。

学生:聞いたことあります。焼き鳥みたいですね。
先生:一方、インドやパキスタンなどでは、肉をミンチにして串に刺して焼く「シークケバブ」などのケバブがあります。
実はこのシークもトルコのシシと同じで串という意味なんです。
ですからシシカバブとシークケバブは基本的には串に刺した肉料理で同じ料理名なのですよ。
普通の肉を使うかひき肉を使うか、また、ヤギの肉を使うか羊の肉を使うか牛肉を使うか、といった違いは地域によって自然に出来た違いですね。
学生:小アジアであるトルコから中東や中央アジア、そしてインドのある南アジアでは、牧畜で飼う動物の種類も宗教も違いますもんね。
先生:そういうことです。
学生:シャミケバブのシャミも串ですかね?
先生:それがシャミケバブのシャミは全く違うんですよ。シャミというのは説明しづらいのですが、ひき肉とスパイスとレンズ豆などで作った生地の調理法の名前です。
そしてシャミケバブはその調理法の通りに、ひき肉とレンズ豆のパテをカラッと揚げた料理です。
食べ方としてはミントやヨーグルト系のソースと食べることが多いですね。
学生:本当だ、シシカバブやシークケバブとは、シャミケバブは見るからに全然違いますね。私初めて見ましたよ。
そういえばシークケバブはたまにインド人やネパール人が経営している本格的なカレー屋さんにいくんですが意外にメニューに載っていますよね。何回か食べましたがジューシーで美味しかったです。
先生:カレーともあいますよね。そしてもう一つケバブとは呼ばないですが、同じカテゴリーの料理を付け加えておきましょう。
地中海沿岸、特にギリシャでは、実はシシカバブに似た「スブラキ」があります。ザジキソースとピタパンを添えて食べるのが一般的な料理です。ギリシャの有名ファストフードなんですよ。
学生:これも食べてみたいですね!ジューシーな具材、そして塩分の聞いてそうな味付けなのでピタパンには絶対あいそうです。バラエティに富んでいますね。
先生:ええ。ギリシャにホットドッグ屋やガレット屋さんを出店させるには一苦労でしょうね。
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ケバブカルチャー
学生:話は変わりますがポップカルチャーではどうでしょう?
先生:中東や中央アジアを舞台にしたコンテンツにはしばしば食べるシーンではケバブが登場します。
日常にありますからね。
他にもイギリスのコメディ映画『イースト・イズ・イースト』で、主人公の父親が経営するフィッシュ&チップスの店がケバブも売っているのが有名であったり、Anthony Bourdainの「No Reservations」や「Parts Unknown」のように、司会者がさまざまな国を訪れその国のケバブを食べてみるという旅行番組もあります。
学生:僕はゲームが好きですが、人気シリーズであるウィッチャーの『ウィッチャー3 ワイルドハント』では、さまざまな食べ物を見つけて調理することができるんですけど、その中にケバブによく似た料理がありますね。
ドネルケバブって何? ドイツ料理?
先生:ゲーム内で調理できるんですか。ってそういえば調理について話していませんでした。
伝統的な調理法は直火ですが、現代のケバブはオーブンやコンロで調理するものが多くなっているんですよ。
実際、トルコ発祥で現在ヨーロッパ、特にドイツで絶大な人気を誇る「ドネルケバブ」は、縦型のロティサリーで調理されています。

学生:ドネルケバブはよく聞きます。
日本ではケバブといえばドネルケバブのことを指すくらい都市部ではドネルケバブの店がここ15年ほどで大量に増えていますよ。
あれはパンに挟んで食べるサンドイッチのようなものではないのですか?
先生:その通りです。ロティサリーで焼いた肉を削ぎ落としレタス、玉ねぎ、トマト、ピクルス、タヒニ(ゴマを磨り潰してペーストにしたもの)やガーリックヨーグルトなどのソースと一緒に温かいピタに挟んで食べるのが一般的です。
ヨーロッパや日本の多くの都市で、ファストフードとして人気を博しています。
ちなみにドネル、とは回すという意味で、そのロティサリーで回転させるからドネルケバブというんです。
学生:ヨーロッパで普及したのは出たのは、何か理由があるのでしょうかね?
先生:それは移民によるところが大きいですね。1960年代から70年代にかけて、ドイツにはトルコ系移民が大量に流入しました。
彼らはドネルケバブをはじめとする食文化を持ち込んだのです。
このドネルケバブという料理は、地元の人たちの間でも評判になり急速に広まっていきました。現在ではドネルケバブはドイツで最も人気のあるファストフードのひとつとなっています。

学生:美味しいですからね。しかも他のファストフードよりヘルシーだと思います。
先生:そういえばケバブショップカルチャーという言葉を聞いたことがありますか?
学生:いや、ないですね。どういう意味ですか?
先生:主にイギリスで使われている言葉で深夜のケバブショップの社交的な雰囲気を表しています。
深夜に営業しているケバブ屋は夜遊びをした後に手早く満足のいく食事をするために立ち寄る人たちで溢れています。
イギリスのメディアでもよく描かれていますよ。例えば「Peep Show」というテレビ番組では、登場人物が悪事の末にケバブ屋にたどり着くことがよくあります。
学生:自分も大学の帰りに寄ったりしますよ。
ケバブショップはネオンサインが使われていることも多くて夜はなんとなく目立つし入ってしまいますね。
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