有名な5種類のブルーチーズ
ブルーチーズはその印象的な外観としっかりとした強めの独特な風味で有名です。青や青緑の葉脈が特徴的なブルーチーズには様々な種類があり、それぞれにユニークな特徴や起源や料理への活用法があります。
ゴルゴンゾーラ ドルチェ?ピッカンテ?
ゴルゴンゾーラにはドルチェとピッカンテという2つの種類があります。
甘いを意味するドルチェはソフトでクリーミー、マイルドな味わい。辛いを意味するピッカンテはその名の通り硬めで刺激的な味わいです。こちらは牛の乳から作られ、青緑色の葉脈が特徴的です。
原産地は?
論争はあるが、中世にイタリア・ロンバルディア州ミランのゴルゴンゾーラで初めて作られたことから名づけられました。現在では北イタリアの様々な地域で生産されています。
適した料理
ゴルゴンゾーラ・ドルチェはそのままでもパンにつけても美味しく、ピッカンテはパスタソースやリゾット、ピッツァによく合います。ゴルゴンゾーラのピザはハチミツと共に食べられることでも有名ですね。

スティルトン
エリザベス女王の大好物としても知られた王室御用達チーズのスティルトンチーズ。
セミハードタイプの砕けやすいチーズで、濃厚でまろやかな味わいと青緑色の葉脈が特徴です。牛の乳から作られ、独特の円筒形をしています。
食べてすぐ寝るとおかしな夢を見るという噂もあるのでその話で名前を覚えた方もいるかもしれません。個人的な話ですが、イギリスと日本の間で貿易協定が結ばれたときにイギリス人のツイッターの複数のコメントで日本人も悪夢を見ることになると言われていて笑った記憶があります。笑
青カビの形状は静脈状ともいわれる見た目です。
原産地は?
その名の通り、イギリスのスティルトンであり、その町でしか法律上製造できません。生産地としてはイギリスの3つの郡で生産されています。ダービーシャー、レスターシャー、ノッティンガムシャーの3つの郡です。
相性の良い料理
スティルトンはポルトガルのワインであるポートワインと一緒に食べるのが伝統的です。スープやサラダに加えると風味豊かになり焼き菓子にも最適です。アップルパイに添えるなどの利用のされ方もあります。
ブルー・ドーヴェルニュ
クリーミーでしっとりとしたチーズで刺激的な風味が特徴。やはり牛の乳から作られ他のブルーチーズに比べ塩分が比較的少なめだ。
熟成期間は二から二か月ほどと短いのも特徴です。青カビは割と規則正しい模様となります。
原産地は?
その名の通りフランス中南部のオーベルニュ地方で作られた。Bleu d’Auvergne、つまりオーベルニュの青です。1850年代に初めて作られました。
適した料理
チーズボードやサラダのドレッシングに、また、キッシュや、ソースに溶かしたり焼いた肉にかけたりするのもよいでしょう。
デンマーク・ブルー(ダナブル)
デンマークブルー(ダナブル)は、クリーミーで半熟のチーズでシャープで塩味のある味わいです。牛の乳から作られ、青い模様が網目状に大きく広がるのが特徴です。
原産地は?
こちらも20世紀初頭に誕生した比較的新しいチーズですが、現在では世界的に有名なチーズとなっています。次に説明するロックフォールの代替品として作られた面があります。
適した料理
サラダやドレッシング、ステーキのトッピングによく使われます。また、果物やしっかりした赤ワインともよく合います。
ロックフォール チーズの王様
世界最古のブルーチーズともいわれ洞窟で5か月熟成される、通称、チーズの王様です。
クリーミーで砕けやすいチーズで、シャープでピリッとした風味と独特の青い葉脈が特徴です。特徴としては5種類の中でロックフォールだけは羊の乳から作られ、天然の石灰岩の洞窟で熟成されます。
原産地
南フランスのロックフォール・シュル・スールゾンという町が原産地。なんと15世紀にシャルル6世により独占権が与えられたという長い歴史を持ちます。伝統的な製法で作られたものでなければならないため、AOC規制で保護されています。
相性の良い料理
ハチミツやイチジクなどの甘い食材と相性がよく、サラダやドレッシング、ソースのベースとしても最適といわれます。
ブルーチーズはなぜ食べれる?
青い筋の正体
ブルーチーズの特徴的な青い筋は確かにカビです。しかしこれは偶然のカビではありません。チーズ製造では、Penicillium roquefortiやPenicillium glaucumという特定のカビ菌株を意図的に使用しています。
これらのカビはペニシリンで有名なPenicillium属に属し何世紀にもわたる選択的培養によってチーズ製造に最適化された特性を持つに至りました。
Penicillium roquefortiは主にロックフォールチーズに使用されて特に羊乳との相性が良いとされています。
一方、Penicillium glaucumはゴルゴンゾーラやスティルトンなど、牛乳を原料とするブルーチーズによく使用されます。
ブルーチーズはなぜ食べれるの?
選び抜かれたカビ
これらのカビは毒素をほとんど産生しないことが数十年にわたる研究で証明されていて自然発生するカビとは根本的に異なります。
チーズ製造専用に選ばれた菌株は有害なマイコトキシン(カビ毒)の産生能力が極めて低く抑えられているんです。
その上、これらの菌株は他の有害な微生物に対して競合的排除効果を示します。つまり、ブルーチーズ用のカビが優勢になることで、食中毒を引き起こすような病原菌の増殖を自然に抑制する働きを持っているというわけです。
制御された環境と品質管理
温度と湿度が厳密に管理された環境で熟成されることが、安全性確保の重要な要素です。
一般的にブルーチーズは10~15℃、湿度85~95%という特定の条件下で熟成されます。この環境条件は、目的とするカビの活動には最適ですが、多くの有害な菌にとっては生存困難な条件となっています。
チーズの酸性度(pH4.5~5.5程度)や塩分濃度(2~4%程度)も、有害な菌の増殖を抑制する重要な要因です。
こちらの条件は乳酸菌による発酵と塩による浸透圧効果により自然に維持され、微生物学的な安全性を高めます。
熟成過程での品質変化
ブルーチーズの熟成過程では、カビの酵素活動により複雑な生化学反応が進行します。タンパク質分解酵素によってカゼインが分解され、独特のクリーミーな食感と風味が生まれます。
同時に、脂肪分解酵素により乳脂肪が分解され特徴的な香りの成分が形成されます。
この熟成過程で生まれる代謝産物の多くは、実は天然の保存料としての機能も持っています。有機酸や抗菌性ペプチドなどが産生され、これらがさらなる安全性の向上に寄与しているのです。
現代のチーズ製造では、HACCP(危害分析重要管理点)システムに基づく厳格な品質管理が行われており原料の選定から最終製品まで各段階での微生物学的安全性が確保され、ブルーチーズを美味しく安心し食べられるというわけです。

