カルローズ米の特徴
カルローズはカリフォルニア州で開発された中粒種のジャポニカ米でありアメリカの米の中でも特に人気があります。この米は19世紀半ばから栽培が始まって20世紀初めにはカリフォルニアがアメリカでの主要な米生産地となりました。
現在カルローズはアメリカ国内で広く消費されるだけでなく、世界中の40カ国以上に輸出されています。
カルローズ米は日本の短粒種とタイ米の長粒種の中間に位置します。軽やかな食感とアルデンテのような歯ごたえが特徴でこの特性によってカルローズは多様な料理に適していて、特にカレーやパエリア、チャーハンなどの料理において、その食感が際立つといわれています。
さっぱりとした味わいを持っていて粘り気も少ないことでこうした料理では特に相性が良いわけです。炊き上がりを単純に見ても甘みとコクがあり米本来の風味を楽しむことができます。
先述の通りアメリカ国内での消費にとどまらず40カ国以上に輸出されていて国際的にも広く利用され信頼されているようです。特に、メキシコや韓国などが主な輸出先であり、アメリカの米の中でも重要な役割を果たしています。
炊き方のポイント
カルローズ米を炊く際の基本的なこつは浸水をあまり行わずに炊くことです。これは、米が水を吸収しすぎることを防ぎ、炊き上がりの食感を軽やかに保つためです。
炊飯器の設定は一般に早炊きモードを選ぶことが推奨されており、これにより短時間でふっくらとしたご飯が楽しめます。 基本的に日本の米よりも少なめに設定するわけです。
この水加減がカルローズ米の特有の軽やかな食感を引き出す鍵となります。もちろん個人の好みによって、もっとふっくらもちもちにしたい場合は、炊き上がりの状態を見ながら好みに応じて水の量を調整するとよいでしょう。
炊き上がったカルローズはすぐに全体を混ぜ合わせることが推奨されているようです。この工程で蒸気が均一に行き渡って、ムラなく美味しいご飯に仕上がります。日本のスタイルとは異なっていて、ここは混ぜることで米粒同士がくっつかず、さらっとした食感が楽しめると考えられています。イメージ的にはチャーハンやピラフなどの感じですね。
また、炊飯だけでなくパスタのように茹でることももちろん可能です。この調理法では、米が持つ軽やかな食感をさらに引き立てることができます。茹でる際は、沸騰したお湯に米を入れ、約13〜15分ほどで仕上げるとアルデンテな食感が楽しめます。
消費者の評判
カルローズ米は最近では特にその価格の安さから多くの消費者に支持されています。業務スーパーでは5kgで1800円ほどという日本では手頃な価格で販売され、コストパフォーマンスを重視する家庭にとって魅力的な選択肢となっているようです。
アメリカ・カリフォルニア州で開発されたこの中粒種のジャポニカ米は、軽い食感としっかりとした歯ごたえが特徴で、海外米の中では日本での日常的な食事にかなり適している方だといえるでしょう。
一方でカルローズは日本米に比べて粘り気が少ないため好みが分かれることがあります。
特にもちもちとした食感を求める人には物足りないと感じられることが多いです。日本米は短粒種で粘り気が強く、ふっくらとした食感が特徴ですが、カルローズはその特性からあっさりとした味わいを好む人には受け入れられやすい一方で、逆に日本米の食感を愛する人には不満を抱かせることもあります。
多くの日本の消費者はやはりカルローズ米をカレーやチャーハンなどの料理に使用することでその特性を活かしているようです。
実際にSNSやレビューサイトでは、カルローズ米の価格の安さと調理法によっては十分美味しいという意見が多く見られます。特に、炊飯器で炊いた際の食感は硬めで、しっかりとした噛みごたえがあり、甘味を引き出しながら楽しむことができるといった、なんだか玄米のような感想も見受けられます。
繰り返しになりますが水を多めなど調理法を工夫することで、日本米のように近づけたりもできますし、本来のさっぱり食感で合った料理に使うことなどでカルローズ米の魅力を最大限に引き出すことができるため、家庭での利用が広がっています。
カロリーと栄養価
カルローズ米は100g168kcalというエネルギーを含み、たんぱく質は2.6g、脂質は0.5g、糖質は37.6gと、もちろん日本米同様に栄養バランスが良いことが特徴です。
パンなどに比べればダイエット中の人や健康を意識する人々にとって非常に適した食材だともいえるでしょう。低カロリーでありながら栄養価はそれなりにあります。
また、米ははんごうでおこげを作るというのを除けば、基本的に焼くのではなく茹でる食べ物です。パンと違ってこの点ではよりヘルシーな選択肢となるので健康的な食生活を目指す方々にとってカルローズ、というか、米全般は魅力的な選択肢となるでしょう。
日本とアメリカの価格
値段の点では2024年現在はかなりの円安、かつ米には他の農産物と比べても圧倒的に高い700パーセントを超えるほどの関税がかけられ、輸入も日本が制限していてミニマムアクセスなどで来る数量は限られていますが、それでも今やカルローズ米は国内の米に比べると非常に手頃な価格で手に入ることが魅力かもしれません。
そもそも世界的に2024年はコメは豊作の年だったので、アメリカだけでなく、日本を除く東アジアから南アジアまで、インフレの世界情勢の中でなんと値上がりが見られないどころか、値下がりが見られたほどです。
上記でも述べたように業務スーパーでは、5kgのパッケージが約1800円ほどで販売されており、特に家計に優しい選択肢として人気がでてきました。この価格は輸送コストも多くかかっているのですが、それでも他の日本米と比較するとそれでも競争力があり、特に多くの米を消費する家庭にとっては経済的なメリットが大きいとみられているようです。
近年世界中でインフレが進行し、日本はその点では穏やかな方なのですが、米の価格は2024年以前を含め、今まで圧倒的な世界一を保っています。
インフレに苦しむアメリカの米であるカルローズは特別安い米というわけではありませんが、本国アメリカにおいてはそれでも、日本がかけている莫大な関税が無論かからないためカルローズ米は更に非常に手頃な価格で購入可能な食品です。
カルローズ米の価格が日本に比べ安い理由の一つは生産コストの低さにあります。カリフォルニア州では広大な農地を利用し自動化や高度に効率化された大規模生産が行われていて、これにより生産コストが抑えられています。別に品質の悪い米や古い米を安くというわけでは決してありません。
昔の日本にもルーツも持った米を、カリフォルニアの大自然で効率よく育てたら、結果安く出来上がっているというだけなので安心です。実際にカリフォルニアのメジャーな米としてなんと世界120カ国に輸出しているという実績もあります。
カルローズ、そして世界の米
少し細かいことを言えば、2023年からの収穫は良好であったこともあり、カルローズ米の価格はアメリカの壮絶なインフレの中でもより安定しています。コメは世界中で採れる穀物です。例えば日本でさえコメの生産量の多さで言えば世界でトップ10にも入りません。
つまりある国が輸出をやめようが他国から輸入すれば済むため、石油などのような戦略物資でもなんでもないのですが、単純にアメリカは農地が多く、例えばカリフォルニアはカリフォルニア州だけで日本全体より面積が広いため、言葉は悪いですが面積としてはほとんど片手間で美味しく安い米が沢山できるのです。
日本人としても感覚的に、利益的にも知名度の点でもカリフォルニアといえば、カリフォルニアワインやオレンジ、シーフードなどのインパクトが強いんじゃないでしょうか。
実際にはそれらの他にも、穀物で言えば、米などより、小麦やトウモロコシはもちろん飼料作物のアルファルファ、そしてオリーブやイチゴ、アーモンドもアメリカ国内では有名です。ちなみにブドウだけで、小麦やトウモロコシ、そして米などを合計した穀物の面積より多くの作付け面積を使っています。
戦略物資というところについても補足をすると、ウクライナの小麦価格などは戦争の後になんと下がったりしています。小麦の国際価格は約27パーセント上がりましたが、ウクライナ国内価格は27%ほどの下落なのです。これはウクライナが小麦輸出ができないことで国内供給が増えたためです。
いずれにしろです、戦争をしていないにも関わらず日本が戦争をしている国の戦時価格より、国際的に豊富に採れる作物である米で、遥かに大きな主要作物の値上がりをしている現状、これは客観的に見ればもはや謎に次ぐ謎という他ないでしょう。
また歴史的に言えば、日本の米はジャポニカ種といいますがそもそもそれ自体が中国南部から来ている米です。しかも長い歴史を見れば日本人の主食は実は殆どの期間は肉食だったり長粒種を食べてきた歴史も存在します。
ということでカリフォルニア米でも台湾米でも、近年ミニマムアクセス枠でなんとか日本に来てくれたお米はせっかくだし柔軟にチャレンジして食べてみてはどうでしょう、という話でした。
中国やインドの米
ちなみに追記ですが、中国やインドの米はどうなんだろうと思った方もいるかもしれません。
これらの米の超大国たちは1キロ150円や200円、5キロ千円を下回るような価格で米を売っていたりもするのです。日本は除きますが日本クラスのGDPの先進国の米価格が大体高くても2024年時点で1500円ほど、高級ブランド米でも2000円ほどと考えるとかなりの安さです。
ただどちらも自国での消費量も多く輸出はそもそもあまりしていません。輸出を増やすようなことをすれば自国内の米の値段も連動し上がりかねず、昔のタイのように、コメ輸出の産業が盛んなのに自国民が困るということにもなりかねないからでしょう。