アジアに広がるピラフ文化
トルコの「pilav」、ペルシャ(イラン)の「polow」、インドの「pulao」、古代ギリシャ語の「polos」。
そしてピラフ、ピラウ、プラーオ、プラオ、プロフ、パロー、これらは根本的に同じ料理である。
しかしその食べられる地域は東ヨーロッパからインドまでの広い地域に渡る。今回のピラフたちはいわば、それぞれで多様な発展をした料理の、群、である。
ということで、最小の共通点を言うのは難しいのですが、ピラフとは米にスパイスを加え、肉や野菜、ドライフルーツなどを加えてスープで煮込んだ料理と定義づけられます。
世界各地のピラフ トルコだけじゃない
世界のピラフたち
ピラフは地域によって調理法、材料、味付けに違いがあり同じものは二つとありません。
中央アジアのピラフ、特にウズベキスタンのピラフことパローは、柔らかいマトン、甘いニンジン、タマネギ、そしてドライフルーツを使うことで有名で大きなカザンで直火で調理するのが伝統です。
ウズベキスタン国内でもサマルカンドパロー、ブハラパローのように種類があったりもする。
そしてインドやネパール、バングラデシュなどのインド亜大陸ゾーンのピラフ、プラオ。
こちらは野菜、豆、カリフラワー、カシューナッツ、レーズン、パニールチーズなど、さまざまな食材を使ったプローというピラフがあり、鍋を密閉して食材を蒸し焼きにする「ダム」方式で調理されることが多い。
スパイスとしてはガラムマサラ、そしてコリアンダーにクミンなどと、カレーとかなり共通している。
パキスタンのプラオはインドに似ているのだが、一般的にヨーグルトを加えるのがその特徴である。
イランのピラフ、ポロウは、ウズベキスタンのピラフに似ている。サフラン、レーズンをこちらも使い、味付けは一層甘めだ。
レバノン周辺(シリアやヨルダンなど含む)のレバント地方のピラフ、マクルーバはご飯が炊けたらひっくり返して逆さにして盛るなどの特徴がある。他にもここでは他と違ってバスマティライスではなく短粒種の米を使う傾向にある。
トルコのピラフは例外的
そしてピラフといえばやはりおなじみトルコのピラフ。
こちらは長粒種の米を使い、肉はほかが羊や鶏を使うことが多いが牛肉も一般的だ。
そして何より例外的な特徴がスパイスだ。カレーで使うようなスパイスをほとんど使わない。
コショウやサフラン、そしてシナモンといった比較的シンプルな調味料のみで作られるのがトルコのピラフなのだ。ウズベキスタン同様サフランで黄色い色である。
各ピラフの共通点は?
ただ共通しがちな点を挙げるとするならば、鶏肉や羊肉はどこでも使われがち。
カレーでもおなじみの、クミン、カルダモン、コリアンダー、この三種あたりのスパイスも使われがちだ。ただし上記の通り一番馴染みのあるトルコが例外的に使用しない傾向だ。
(スパイスについては他にも細かく言えば、ウズベキスタンではターメリックが入ってコリアンダーはあまり使わない傾向や、レバントではカルダモンよりシナモンを多用したりと細かな違いの傾向はある)
ピラフの基本 お焦げもあって親近感。
まず肉を焼き、野菜を炒め、米を炒める。
そしてスープで全体を煮込みます。音楽で例えるならば各楽器の演奏テープをまとめて一つの曲にマスタリングする感じですね。
この際、リゾットなどとは違って、米粒同士がくっつかずに基本的に分離している状態を目指します。
最初の米を炒める過程、ここはペルシャやアフガニスタン地域の「タヒディグ」ピラフにおいては、米の底をわざとカリッとさせます。日本風に言えばキャンプなどでおなじみの完全に、お焦げ、の発想ですね。
最後に、ピラフは日常でももちろん食べられますし宴会などイベントでも食べられる料理です。
例えばウズベキスタンでは「ウェディングプロフ」と呼ばれるピラフが伝統的に結婚式の大勢で集まる時に出されたりします。
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